2019年06月01日

ペットにできる?できない?

 一般社団法人ペットフード協会の調査によると全国の犬・猫の推計飼育頭数は1, 844万6千頭(2017年12月)となっている。ペットを飼っている人だけでなく、飼っていない人にとっても散歩中のペットに会ったり近所にペットがいたりするなど、ペットは身近な存在である。
 ペットはかわいいものだが、正しく飼うための知識を身に付けておきたいもの。そもそもペットとして飼っていい動物かどうか、ペットを購入するときの契約上の注意点、もしもトラブルになってしまったらどうするか、など実は法律にもペットに関わるものがいくつもある。
 たとえば、道端に見たことのない動物がいたとする。周りに飼主らしき人はいない。人には慣れているようで、呼べばついて来そうな気が…。さて、この動物を連れ帰り、ペットにしてもいいものだろうか。
 その動物に飼主がいる場合、もちろんその飼主に返してあげる必要がある。飼主が分からない場合には、警察に届け出る必要があるが、犬と猫の場合は自治体に引き取りを求めることもできる。そして、飼主が現れなかった場合、警察や自治体に届け出た犬や猫を改めて引き取って、ペットにできるようになる。
 このような手順を踏まずに、道端の動物をそのまま連れ帰ることは止めたほうがいい。あとで「飼主」から返還を求められることも考えられるし、その動物は捕獲や飼育に特別な許可を必要とする「野生動物」や、一般的に飼育してはいけないアライグマ科の一種やカミツキガメなどの「特定外来生物」にあたるかもしれない。飼育の禁止された動物を飼育した場合には刑罰を科されるおそれもあるのだ。
 その動物はペットにできる動物のか―あなたがもし動物を拾ったら、まずは自治体や警察へ相談しよう。
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2019年06月02日

新しい家族を迎えよう!「ペットの購入」

 ペットは、これから長い時間をともにする新しい家族となってくる。ずっと健康でいて欲しいものだが、病気で通院が必要になるかもしれない。そんなときに備えてペットの健康保険に入っておくと安心かもしれない。
 さて、できれば避けたいペットの病気だが、例えば鼻に特徴のある真白なフレンチブルドッグに一目惚れして購入、家に連れてきた途端に病気になったという場合、元気な別の子に取り換えてもらうことができるのだろうか。
 「白いフレンチブルドッグならどの子でもいい」と言って購入した場合ならともかく、法律上は、「この子」と決めて購入したらその後に病気が分かっても交換してもらう権利はない。その代わり、病気があると分からずに購入していた場合には、治療費などを損害賠償としてペットショップに請求できる可能性がある。販売業者によっては、契約書の中で返金などに応じることを明示している場合もあるようだから、契約書の内容は要チェック。
 ついつい一目惚れしてしまうペット。でも、衝動買いにはご用心。契約内容をチェックして、万全の態勢で新しい家族を迎えよう。
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2019年06月03日

動物にまつわる法律あれこれ

 江戸時代の「生類憐みの令」は有名。現代でも、動物にまつわる法律が、実はたくさんある。
 外来生物の輸入や飼育を制限したり、野生動物の捕獲や狩猟を制限するなど、人の手によって動物の生態系を崩すことがないようにしようとする法律や、絶滅危惧種を守る法律、特別天然記念物のイリオモテヤマネコを感染症から守るための条例もある。
 飼主は動物の健康と安全を保つように努めなければならないことや、動物の取扱業者を登録制にすることなど、動物への虐待防止やきちんとした取扱いをすることも法律で決められている。
 他にも「ペットフード安全法」(※)では、犬・猫用のペットフードを対象に、製造方法や表示についての基準、成分の規格を定めていて、これに合わないペットフードの製造、輸入や販売は禁止されている。
 どの法律も、動物を守り、人間と動物が一緒に暮らしていくためのルールを定めている。
※正式名称「愛がん動物用飼料の安全の確保に関する法律」
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生活保護費はほとんど手元に残らない!

一部の運営事業者は1施設当たりの入所者数を大規模化。ホームレス状態にある人に、公園などで運営事業者自らが「相談」と称して声をかけ、施設に入れてしまう勧誘行為も横行した。
 住居を失い福祉事務所に生活の相談に行くと、「大規模無低の利用を促された」と話す保護受給者は多く存在する。こうした運用実態が特定の大規模無低の急拡大に拍車をかけた可能性が高い。今では全国で無低施設数は537、入居者数は1万5600人に至っている。経営主体の8割弱がNPO法人だ。
 無低事業者は、保護受給者が受け取る住宅扶助や生活扶助の中から、さまざまな「利用料」と称し毎月徴収する金銭を運営財源としている。中にはそのほとんどを徴収する悪質な大規模施設運営事業者も存在し、「貧困ビジネス」と批判されている。
 ある大規模無低から逃げ出してきた元利用者は、「施設では家賃のほか、高い食費や水道光熱費や共益費も払わされ、生活保護費はほとんど手元に残らず生活再建につながらなかった」と話す。
 2015年に厚生労働省が実施した実態調査では、本来は一時的な居住場所であるはずの無低が、入所期間4年以上に及ぶ入所者が全体の3分の1を占めていることが明らかとなった。これはつまり、一度無低に入ったら出ることが難しい実態がある、ということになる。
 大規模無低の運営実態はどうなのだろうか。金銭管理と称し生活保護費を丸ごと取り上げたり、「施設内就労」の名の下で福祉の専門資格を有しない保護受給者を施設職員に据えて働かせたりするケースがある。1つの居室をベニヤ板で間仕切っただけで天井部分が完全につながっている居室を、「簡易個室」と称し50〜200人を1つの施設に「収容」するような大規模無低も関東各地に存在している。
 こうした大規模無低の運営事業者などによる悪質な貧困ビジネスの実態を厚生労働省も問題視。厚労省が2015年に定めた現行のガイドラインでは、個室を原則とし、居室面積は7.43平方メートル=4畳半相当以上とされている。狭い床面積の場合は、住宅扶助(家賃)を減額する仕組みも導入された。
 だが、こうした最低限の規制すら骨抜きにしかねない議論が浮上している。厚労省は昨年11月、貧困ビジネスへの規制強化などに関する検討会の初会合を開催した。無低の最低基準や保護受給者の日常生活支援のあり方などについての検討を踏まえ、厚生労働省令や条例を策定するスケジュールを示した。
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2019年06月04日

「簡易個室」を最低基準として公認?

 検討会の開催は規制強化の流れの中に位置づけられるが、業界関係者の間では「厚労省は『簡易個室』を最低基準として公認するのではないか」との懸念が広がっている。
 厚労省の資料の中にある、簡易個室の存在を前提としているかのような記述。特に強調されることなく、さらりと書かれている。
 それは厚労省が初会合で示した資料に、「多人数居室、1つの個室をベニヤ板等で区切ったいわゆる『簡易個室』も一定数存在する」と、その存在を前提としているかのような記載がされているためだ。
 現行ガイドラインでは「個室が原則」とされているが、仮にこの「簡易個室」が無低の最低基準として認められれば、これまで相部屋を中心に大規模展開してきた無低運営事業者でも、ベニヤ板で簡単に1部屋を間仕切りさえすれば、そのまま生き残れることになる。
 この点については、昨年12月17日の第2回検討会で議論される見通しだ。議論の行方によっては、悪質な貧困ビジネスの「儲けのカラクリ」を排除するどころか、その存在を肯定することになりかねない。そうした正念場を早くも迎えている。
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どうしよう!?「ペットが他人にケガをさせた!」

 「ドッグランでゴールデンレトリバーを遊ばせていたら、突然他人の子供に飛び掛かってケガをさせてしまった」
 犬はじゃれついたつもりかも知れないが、ケガをさせられたほうはたまったものではない。動物のやったことだから、我慢しなければならないのか…。
 飼っている動物が他人に損害を加えた場合には、原則として、飼主等はそれによって生じた損害を賠償しなくてはならないが、動物の種類・性質に従い相当の注意をもってその管理をしていた場合には責任を免れるとされている。もっとも、相当の注意を尽くしたとして責任を免れることができるのは、例外的な場合に限られる。
例えば、公道で飼い犬を放したような場合には、相当の注意を尽くしたと認められることはなかなか難しいだろう。飼い犬を放すことが許されたドッグランでさえ、飼い犬が大型犬であったり、飼主が目を離したりしていたような場合には、責任を免れないかも知れない。
 ペットと暮らすことは、本当に素敵なことだ。しかし、ペットを飼うことは社会的な責任を伴うということを、ぜひ忘れないで欲しい。
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2019年06月05日

「ワン!ワン!」「うるさい!」 近所の飼い犬の鳴き声が迷惑

 夜遅く、近所の飼い犬が大きな声で鳴いている。鳴いている犬もストレスを溜めていると思うのだが、人間は犬の言葉を理解できない。こんなとき、法律はどんなルールを定めているのだろうか。
 動物愛護法では、飼主は、「人に迷惑を及ぼすことのないように努めなければならない」と定められていることから、鳴き声が著しく大きく、かつ、長時間であるなど生活に支障をきたすような場合には、飼主に改善を求めることが考えられる。
 また、多くの自治体では動物に関する条例を制定しており、生活への支障のみならず、身体にも支障をきたすような場合には、自治体から飼主に対して改善を命じる措置をとることもできる。
 さらに、犬の鳴き声が、深夜や早朝にも及ぶ長時間であるために、不眠や神経衰弱の状態になった場合には、飼主に損害賠償責任(治療費、慰謝料などの支払)が認められる可能性がある。
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2019年06月06日

コツメカワウソの受難

 近年、日本で人気が高まり、イベントや商業施設でもよく姿が見られるようになったコツメカワウソ。個人で飼育する人も多く、SNSなどで写真や動画も拡散されているほか、メディアも大きく注目し、その人気に拍車をかけてきた。ときに160万円もの値が付くこともある、高価な「エキゾチックペット」の一種である。
 しかし、こうした風潮と需要が今、深刻な違法取引(密輸)を呼ぶ一因になっていると考えられている。2019年1月21日、コツメカワウソをタイから日本へ密輸しようとした日本人2名が、関税法違反の容疑で逮捕された。この事件が起きたのは、2018年10月。飛行機の手荷物に押し込まれた5頭のコツメカワウソを、東京税関の職員が発見し、発覚したもの。
 これに先立つ2018年6月にも、同じくタイから日本へコツメカワウソを密輸した疑いで日本人2名が、外為法、関税法違反の容疑で逮捕される事件が発生。さらに、2017年には、コツメカワウソの幼獣を違法に持ち出そうとした日本人が、タイの空港で逮捕される事件が3件も続いて発生した。
 東南アジアに生息するコツメカワウソは、現地では絶滅が心配されている野生動物の一種である。本来の生息地である河川の流域や森林の自然破壊に加え、こうしたペットを目的とする需要が違法な捕獲(密猟)を呼び、危機をさらに増大させてしまうおそれがある。
日本では特に、2017年前後からこのペット需要が急増していた。
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2019年06月07日

沸騰するエキゾチックペットの人気

「エキゾチックペット」の問題は、コツメカワウソに限られたものではない。
 2018年5月11日には、スーツケースに入れた、インドコキンメフクロウを含む12羽の鳥類と、アフリカヤマネほか6頭の哺乳類を、タイから日本へ密輸しようとした日本人の男が逮捕される事件が発生。
 さらに、5月8日にも関西空港で、フロリダハコガメなど39頭を密輸しようとした日本人2名が逮捕された。
 密輸されたのは、いずれも絶滅が心配され、「ワシントン条約」で国際取引が規制されている動物である。
 ワシントン条約は、こうした希少な野生生物を絶滅から守るため、その取引を規制する国際条約ですが、こうした違法行為が後を絶たないのが現状。
 また国内でも、こうした違法な取引や捕獲は問題になっている。
 その一例として2018年8月、石垣島で希少種のキシノウエトカゲとヤエヤマセマルハコガメを違法に捕獲し、埼玉県の自宅で飼育していた男が書類送検されたという報道があった。この2種はどちらも、環境省のレッドリストの絶滅危惧種。
 さらに国の天然記念物であり、生息する地域の自治体の条例でも保護種に指定されている、国として守るべき対象となっている生きものである。
 生きた爬虫類については、日本は世界第4位の輸入国だが、国内においても、爬虫類のペット需要は、違法な採取、取引を誘発し、特にその地域にしか生息していない希少な固有種を脅かす深刻な原因になっている。
 何より、こうした事件はいずれも、「発覚」した一部の事例にすぎない。密輸や違法に捕獲(密猟)に成功した場合は、その内容はおろか、発生したかどうかの記録さえ残らないためである。
 また、ひとたび日本の国内に入ってしまった後は、国内での取引規制が不十分なため、追跡や取締りが難しく、問題をさらに複雑にしている。
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2019年06月08日

「動物愛護管理法」改正の課題

 現在の日本では、このように動物の取引の規制や取り締まりが十分ではない現状に加え、そもそも野生動物をペットとして所有し、飼育する行為自体についても、ルールや管理の在り方が、明確にされていない。
 日本の国内法で動物の飼育について定めた法律は「動物の愛護及び管理に関する法律(動愛法)」だが、現状ではその内容にもさまざまな課題がある。
 とりわけ、絶滅のおそれのある野生動物の飼育については、ほぼ規定がない。また野生動物を不用意に飼育することによって、自然環境が損なわれたり、絶滅の危機が増大する可能性についても、言及されていない。
 2019年5月には、「動物愛護管理法」の改正が行なわれたが、この改正では、上記のような問題点が改善され、さらに所有や飼育の際の管理強化を実現させる必要がある。
 また、その中では、ペットを取引する事業者や、「飼う人」の責任と義務についても、明確にし、国内で徹底していく必要がある。
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2019年06月12日

ペットの飼育

 スイスの家庭で最もよく飼われているのは猫で、140万匹がスイスのペット界を牛耳っている。猫を飼うのに特別な制限や規制はない。猫の飼主にはペットの税金を払う義務はない。
 犬は違う。居住する自治体に犬を登録し、保有税を毎年払わなければならない。例えばベルン州では115フラン(約1万3200円)だ。スイスでは公共の場に犬の糞を捨てるためのビニール袋とゴミ箱がたくさん設置されている。
 犬を飼う際のトレーニングコース受講は義務ではなくなったが、初めて犬を飼う人には推奨されている。大半の州には犬に関して独自の規制がある。特に危険の可能性のある犬種についてだ。居住する州または自治体に犬の飼主向けの情報があるか調べてみよう。現在スイスには狂犬病はない。
 すべての犬には、生後3ヵ月までに獣医によってマイクロチップを装着しなければならない。獣医はその犬の情報をスイスで飼われている犬のデータベース「AMICUS他のサイトへ」に登録する。外国から輸入された犬は入国後10日以内に獣医に診せなければならない。獣医はこの場合もその犬の情報を上記のデータベースに登録する。
 それ以外の点では、犬と猫にかかる費用は同じようなものだ。獣医の医療費、食費、生活用具代、休暇中のケア費用などだ。ペット用の医療保険に入ることもできる。
 ウサギやモルモットやインコなどのペットは「社会的動物」と定義され、単独で暮らすと苦痛を覚える。このような社会的動物を単独で飼うことは法律で禁じられており、飼育かごには最低限の大きさが定められている。連邦経財省獣医局はペットの飼育に関する詳細情報他のサイトへを提供している。
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2019年06月14日

ペットの法律上の地位―原則論

平成29年12月22日付の一般社団法人ペットフード協会の調査結果によると,日本全国で,892万頭の犬、952万6千頭の猫が飼育されていると推計されており、犬や猫などのペットを飼われている家庭も多いのではないか。
 ペットを飼っている家庭では、ペットを家族の一員のように扱っておられる方も多いのではないか。ただ、現在の日本の法律においては、ペットなどの動物については,基本的に「物」として扱われている。
 例えば、民法上、ペットについての明文の規定はなく、「この法律において、『物』とは,有体物をいう」という規定(民法85条)に従って、「物」にあたると解釈されている。
 そのため,ペットを始めとする動物については、民法上、権利義務の帰属主体となることはできない。具体的には、飼い主が自らの死後、ペットに対して財産を遺したいと考えたとしても、ペット自身に財産を承継させることはできないし、仮にペットが何らかの事故によって、負傷あるいは死亡したとしても、あくまで物と同様の扱いを受け、人が負傷あるいは死亡した場合のような高額の慰謝料を請求することはできないことになる。
 また、刑法においても、ペットについての明文の規定はな、物として扱うものと解釈されている。そのため、ペットが誰かに負傷させられたり、死亡させられたりしたとしても、傷害罪や殺人罪は成立せず、あくまで、飼主の所有物を破壊したとして器物損壊罪が成立するのみである。
 もっとも、こうした考え方はペットに対する価値観の変化に応じて、今後さらに変わっていく可能性があるだろう。
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2019年06月15日

ペットの法律上の地位―特別の扱いを受ける場合

 他方で、ペットが生命を有する存在であることなどの特殊性から、法律上、ペットが単なる「物」とは異なる取扱いを受ける場合がある。
 例えば、動物の愛護及び管理に関する法律においては、犬や猫を始めとするペットについて「牛,馬,豚,めん羊,山羊,犬,猫,いえうさぎ,鶏,いえばと及びあひる」と、これらのほか「人が占有している動物で哺乳類、鳥類又は爬虫類に属するもの」については、「愛護動物」として、「物」とは異なる扱いをすることと規定されており(同法44条4項)、これらの「愛護動物」をみだりに殺し、または傷つけた者に対しては、2年以下の懲役または200万円以下の罰金が成立するなど、上述の器物損壊罪(3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料)よりも重い犯罪が成立することとされている。
 その他,ペットについては、「地方公共団体は、動物の健康及び安全を保持するとともに、動物が人に迷惑を及ぼすことのないようにするため、条例で定めるところにより、動物の飼養及び保管について動物の所有者又は占有者に対する指導をすること、多数の動物の飼養及び保管に係る届出をさせることその他の必要な措置を講ずることができる」と定める動物の愛護及び管理に関する法律第9条の規定に従って、各地方公共団体において、それぞれの地方の実情に合わせた条例が定められている。
 例えば、京都市においては、平成27年7月1日から「京都市動物との共生に向けたマナー等に関する条例」が施行されているが、同条例においては、飼主に対してペットの犬の糞を回収する義務を課したり(同8条2項)、市民に対して不適切な方法で、飼主のいない動物にえさを与えることを禁止する規定(同9条)などが定められ、一定の場合には,過料の制裁が科されることとなっている。
 以上の通り、ペットを始めとする動物については、法律上、基本的に、「物」としての扱いを受けるにとどまっているが、生命を有する存在であるという特殊性から、単なる「物」とは異なる取扱いを受ける場面も多数存在する。
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2019年06月16日

ペット飼育ルールの説明義務

仲介業者は、マンションにおけるペット飼育のルールを調査し、購入検討客に説明しなければならない。説明を怠ったり、誤った説明をした場合には、損害賠償義務を負うことになる。
 当初ペット飼育禁止として販売されていたところ、売れ行き不振のため販売の途中でペット飼育可に方針が変更されたマンションについて、ペット飼育禁止と説明を受けてマンションを買った購入者から、分譲マンション販売会社(分譲会社)に対する損害賠償請求が認められた裁判例がある(大分地裁平成17年 5月30日判決)。
 動物嫌いのAは、平成14年2月、建築途中のマンションを購入し、建物竣工後の同年9月に入居しました。分譲会社は、Aに対し、売買契約前にマンション内でのペット飼育は禁止である旨の説明をしていた。ところが実際には販売時の管理規約案にはペットを禁止する条項はなく、マンションの販売が不振だったため、Aの購入後、分譲会社は、ペット飼育可に方針を変更し、ほかの購入者にはペット飼育ができるマンションとして販売を行っていた。
 裁判所は、「一般にマンション等の集合住宅においては、入居者が同一の建物の中で共用部分を共同利用し、専用部分も相互に隣接する構造で利用するという密着した生活を余儀なくされ、戸建ての相隣関係に比べ、各入居者の生活形態が相互に重大な影響を及ぼす可能性がある。マンション内における動物の飼育は、こうした建物の構造上、ふん尿によるマンションの汚損や臭気、病気の伝染や衛生上の問題、鳴き声による騒音、咬傷事故等、建物の維持管理や他の入居者の生活に影響をもたらすおそれがあるほか、犬や猫などの一般的なペット類であっても、そのしつけの程度が飼育者によって同様ではなく、飼育者のしつけが行き届いていたとしても、動物である以上、行動、生態、習性等が他の入居者に対して不快感を生じさせるなどの影響をもたらすおそれがある。
そこで多くのマンションその他の共同住宅においては、入居者による動物の飼育によって、しばしば住民間に深刻なトラブルを招くことから、こうしたトラブルを回避するため、あらかじめ動物の飼育を規約で禁止したり、動物の飼育を認める場合には、飼育方法や飼育が許される動物の定義等について詳細な規定を設け、防音、防臭設備を整えるなどして住宅の構造自体を相当整備するなどし、他の入居者に迷惑が掛からないよう配慮されているところである。そして、マンションにおいてペット類の飼育が禁止されるのか、可能であるのかが、購入者にとって、契約締結の動機を形成するに当たって重要な要素となることもあり得ることである。
 こうした点に加え、マンション業者と購入者との情報の格差や、マンションの管理規約の作成に当たっては、販売業者がその案を準備し、個々の売買契約時に購入者から同意を取得してこれを交付している状況等に照らすと、マンションの販売業者には、購入希望者との売買契約に当たって、少なくとも購入希望者がペット類の飼育禁止、飼育可能のいずれを期待しているのかを把握できるときは、こうした期待に配慮して、将来無用なトラブルを招くことがないよう正確な情報を提供しなくてはならない」と判断し、分譲会社の説明義務違反を認めました。
 ペットは、これを好ましいと感じる人にとっては家族同然の存在である一方、これを不快に感じる人にとっては穏やかな生活を妨げる非衛生的な存在である。マンションではペットについて多様な感じ方をもった人々が共同生活を営む。そのため現在ではペット飼育に関するルールが定めておくことが一般的である。
 ペットについては好き嫌いのギャップが大きく、いったんトラブルが発生すると、深刻な問題になってしまう。購入後のトラブルをあらかじめ防止するため、マンションを販売し、あるいはマンション売買の仲介をするにあたっては、それぞれのマンションにおけるペット飼育のルールについて、十分に確認し、あるいは管理組合や管理会社に問い合わせを行ったり、規約や総会の議事録を確認するなどの十分な調査を行った上で、確認、調査の結果を購入検討客に正しく知らせておかなければならない。
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2019年06月18日

「日本はペット後進国」は本当?

 "動物福祉"というテーマがよく話題に上る昨今。日本は"ペット後進国"とも言われ、ともすると「動物福祉の進んでいる欧米に比べて、日本は......」といった論調になりがちだ。それでは、日本の動物業界は欧米に比べてそんなに遅れているのかというと、実は一概にそうとは言い切れないという。
 「環境や文化、歴史の違いもありますし、多様な国や地域を一律で語ることには、あまり意味がありません。
 また、例えば犬猫の引き取り数で言うと、アメリカでは年間数百万頭にのぼるのに対して、日本での行政による引き取り数は年間10万頭あまりです。人口規模を考慮しても、日本はアメリカに比べて圧倒的に少ないです。しかも、最近日本では殺処分の問題が顕在化しているため、あたかも殺処分される犬猫が増えているかのような印象を受けますが、実際には逆で、殺処分数は急激に減少しています。実は、日本の動物業界は、他国に比べてもひけをとらない部分もあるのです」
と帝京科学大学 生命環境学部の准教授、加隈良枝先生は話す。
 それぞれの国に対する何となくのイメージや、聞きかじりの知識から判断するのではなく、きちんとしたエビデンスに基づいて冷静に話し合うこと。まずはそれを前提に、日本と海外の犬事情を比較し、日本社会に合った犬との共生の方法を探っていきたい。
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2019年06月19日

法律でしっかり守られるヨーロッパの動物福祉

 犬に関する法律や条例、社会におけるルールなどから、日本やアメリカ、ヨーロッパの国々で飼い犬が置かれている状況について、具体的に見ていこう。
 日本では、2013年9月に改正法が施行された動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護管理法)によって、犬猫販売業者の遵守すべき事項が強化され、動物たちが最低限の健康を確保できるよう配慮することが定められた。けれども、ペットショップでの犬の生体展示販売は一般的に行われており、犬を飼い始めることに対するハードルはかなり低いと言える。
 "ペット大国"とも呼ばれるアメリカでも、子犬の生体展示販売を行うペットショップがないわけではなく(一部には禁止されている自治体もある)、小遣い稼ぎや趣味で無計画に繁殖させるバックヤードブリーダーも、多くの自治体の規制にもかかわらず存在している。犬を飼育する場合、一部の地区では毎年登録料が必要だが、年間10〜20ドル程度とそれほど高くはない。日本に比べれば多少のハードルはあるものの、適性の有無や飼育環境の是非にかかわらず、誰でも飼うことができる状況と言えるだろう。
 一方、ヨーロッパの中でも動物先進国と言われる国々では、犬を飼うことに対するハードルが高めだ。
 中でも最も厳しい制度のあるスイスでは、2008年9月から、犬の飼養に関する専門知識証明、いわば"犬の飼い主免許"の習得を飼い主の義務としている。この証明を得るには、犬を迎える前に最低4時間の講習を受け、迎えたら1年以内に1回1時間×4回のしつけの訓練および実技テストを受けなければならない。
 ドイツでも、一部の州で専門知識証明の習得が義務付けられている他、犬税を設けている自治体が多く、ベルリンでは1頭目が120ユーロ(約1万4千円)と、その金額は決して安くない。
 それでは、実際に犬と暮らす中では、どのようなルールの違いがあるのだろうか。
ドイツでは、電車やバス、タクシーなどの公共交通機関は、すべて犬と一緒に乗ることができる。レストランもほとんどが犬連れOKで、一緒に入れないのは屋内の食料品店や病院など。トレーニングにクレートを使う習慣はなく、逆に『犬に関する政令』で飼育環境の面積などが決められているため、クレートに入れていると虐待とも見なされかねない。首都ベルリンには州管轄のノーリードOKの森があり、ジョギングする人や森林浴する人に混じって、犬の散歩をする人の姿が見られるという(ただし、排泄物の放置問題は日本よりも深刻のよう)。
 イギリスもほとんどの場合は公共交通機関に一緒に乗れるし、レストランもほぼ犬連れOK。フランスも多くの公共施設が犬連れOKだが、公共交通機関に関しては、運行会社によってサイズの上限やキャリーバッグに入れるなどの規則があるようだ。
 一方のアメリカでは、地域にもよるが、補助犬を除いて、公共交通機関や公共施設、レストランに犬と入れるケースは少ない。その代わりといっては何だが、犬連れ専用のドッグカフェやドッグランが存在している。また、しつけではハウスの中でじっとしていられる"クレートトレーニング"の重要性が強調されるのも、ヨーロッパと異なるところだ。
 これらの点では、ヨーロッパよりアメリカの情報が入りやすいこともあり、日本はかなりアメリカに近い。
 大ざっぱにまとめると、犬を飼い始めることに対して門戸は広いものの、飼った後は囲い込み管理するのが日米。それに対して、犬を飼うのは多少狭き門だが、飼った後はしっかりとトレーニングをしたうえで自由に行動させるのがヨーロッパだ。
 双方を動物福祉という観点で見比べたときに、法や社会のルールによって飼い犬たちがより守られているのは、ヨーロッパのほうだろう。
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2019年06月20日

蛇口の閉めすぎは犬との共生社会を退歩させることも

 日本にとってヨーロッパの動物先進国が理想でありゴールであると言えるかというと、そうは言い切れない実態もあるという。
 「ヨーロッパの動物先進国では、日本のペットショップのように店舗を構えて子犬をたくさん展示販売しているところは、多くはありません。ただ、無許可のブリーダーがインターネットなどで生体販売を行うケースは後を絶たず、国内だけでなく東欧などで安く繁殖された犬がブローカーを通じて入ってくるケースもあるようです。
 例えば、イギリスにはブリーダーのライセンス制度がありますが、1年間に流通する子犬約77万頭のうちの半数以上にあたる約50万頭は、ライセンスのないブリーダーや輸入によって供給されているという推計が、RSPCA(Royal Society for the Prevention of Cruelty to Animals=英国動物虐待防止協会。イギリスの非営利団体で、世界最古にして最大の動物福祉団体でもある)により2016年に報告されました。ライセンスのないブリーダーには趣味レベルの個人や小規模業者も含まれますが、大規模の繁殖業者もたびたび検挙されています。特に過去5年間で隣国アイルランドや東欧諸国からの違法な輸入が激増しており、法は整備したものの、また新たに別の問題が噴出し、そこに取り組む必要性が出てきているようです」
 犬を飼うことのハードルが上がれば、そのひずみとして、抜け道を探して販売したり購入したりする人が出てくる。そこをさらに締め付ければ、犬の数自体が激減してしまうことになりかねない。これはどこの国でも起こり得る問題で、やみくもに法を厳しくすれば解決、とはいかないだろう。
 蛇口を閉める行為と、受け皿を準備する行為。この2つをバランスよく進めてこそ、社会全体で犬の恩恵を受けつつも、動物福祉の守られる社会の実現に、一歩近づけるのだろう。
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2019年06月21日

犬の飼主が守るべき法律

 犬を飼い始めた瞬間から、飼主に対しては全国統一の法律、都道府県レベルの条例、一般常識というさまざまなレベルで義務が発生する。以下は日本国内に暮らしている限り絶対に守らなければならない最低限のルールである。動物愛護法および環境省告示の内容を簡潔にまとめてある。これらを守っていないような場合は、いわゆる「動物虐待」とみなされる。
【最低限のルール】
・給餌
 適切な量の餌や水を与えること。餌を与えずにガリガリにしたり、逆に餌を与えすぎてブクブク太らせたりしない。
・健康管理
 病気やケガをした場合は速やかに動物病院を受診すること。おなかに腫瘍ができて歩くたびに地面を擦っていたり、骨折して足を引きずっているのに放置しない。
・しつけ・訓練
 適切な方法でしつけを行うこと。鳴き止まないからと行って犬を蹴飛ばしたり石を投げつけてはいけない。
・飼育環境
 犬にとって快適な飼育環境を整えること。屋外の場合はエアコンの室外機の風が当たる場所に犬小屋をおかない、吹雪の中、犬を外に放置しない、外につなぐ際は道路や通路に接しないようにするなど。屋内の場合は常に清潔にする、脱走しないようドアや窓を常にチェックする、災害時の準備をしておくなど。
・公共マナー
 公共の場所を汚したり他人に迷惑をかけないこと。犬を放し飼いにしない、散歩するときはリードにつける、散歩中に出したうんちやおしっこを放置しない、ベランダでブラッシングをして抜け毛を飛散させない、夜中の鳴き声で近隣住人に迷惑をかけないなど。
・頭数制限
 管理能力を超えて飼育頭数を増やさないこと。事前に去勢手術や避妊手術を行い繁殖制限をするなど。
・終生飼養
 遺棄しないこと。むやみに飼育放棄して保健所や動物愛護センターに犬を持ち込まないこと。どうしても飼育が困難な場合は譲渡するよう最大限の努力をするなど。
 上記した最低限のルールに加え、ほとんどの都道府県では動物の飼育に関する条例を設けている。また狂犬病予防法により、犬の登録を行うことと年1回狂犬病予防注射を受けることが義務づけられている。犬の飼主は法律のほか条例の内容もしっかりと把握して遵守しなければならない。守らない人には罰則が設けられている。
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2019年06月22日

ペットと交通事故を起こしたら? 損害賠償請求におけるペットの扱いについての原則

 動物の愛護及び管理に関する法律は、その第2条1項で、動物が命あるものであることに鑑み、何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、または苦しめることのないようにするのみでなく、人と動物の共生に配慮しつつ、その習性を考慮して適正に取り扱うようにしなければならないとしており、法律には、同法のように、動物が、他の物品等の無生物と異なり生命を持つ存在であることを前提に規程をしているものもある。
 しかし、交通事故においては、不法行為に基づく損害賠償請求が問題となるが、動物であるペットに生じた被害について損害賠償請求を請求する場合、その損害の算定に当たっては、原則としてペットは物と同様に扱われる。
 すなわち、生き物であるペットであっても、車や衣服等の物的損害の請求と同様に、修理するために必要な費用や、当時の時価などを基に損害が算定されることが原則となる。
 ちなみにペットが他人に損害を生じさせた場合には、その動物の占有者が責任を負わなければならない(民法第718条)。
posted by IT難民 at 06:32| 東京 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月23日

ペットと交通事故を起こしたら? ペットの被害に関して認められる請求

 ペットは法律上、物と同様に扱われることが原則なのだが、車や衣服と違って生き物なので、主な損害としては修理費ではなく治療費が生じる。交通事故の場合、同治療費は、不法行為によって生じた損害であるということができるので、ペットが後に死亡したとしても、原則として損害の範囲に含まれることになる。
 ペットが事故にあった場合にかかる費用の多くはこの治療費だが、その他にも、治療やリハビリのために特別な器具やオムツ等が必要となった場合など、不法行為によって実際に生じた損害については、相当因果関係が認められる範囲で損害賠償請求が認められる。
 なお、ペットが死亡した場合には、その当時の時価相当額が損害額として算定される場合がある。
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2019年06月25日

ペットと交通事故を起こしたら? ペットが死傷した場合の精神的損害に対する慰謝料

 原則として、物的損害に対する慰謝料請求は、認められない。
 そして上記のようにペットが物として扱われる以上、本来であればペットに生じた被害に関し、飼主に生じた精神的損害の請求、すなわち慰謝料請求はできないことが原則といえる。
 ただし、ペットは飼主が家族の一員として扱っていることも多く、飼主にとってかけがえのない存在になっていることが少なくない。通常の物に比べると、ペットに対する持ち主(飼主)の思い入れも強く、特に死亡などした場合を考えると、通常の物と異なり、代替性も低いということもできる。
 そのため、物と同様に扱われることを原則としながらも、ペットが不法行為により死亡したり、あるいは重い傷害により死亡した場合に近い精神的苦痛を負ったりした場合には、社会通念に照らして損害賠償を認めるべき精神的損害とされることがあり、同様の理由から一定額の慰謝料請求を認めた裁判例も存在する。
posted by IT難民 at 07:35| 東京 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月28日

ペットと交通事故を起こしたら? 慰謝料を認めた裁判例

 名古屋地裁平成20年4月25日判決は、交通事故で重い後遺症を負った飼い犬について、飼主の夫婦にそれぞれ慰謝料30万円、50万円を認めた。同裁判は控訴されたが、控訴審である名古屋高裁平成20年9月30日判決でも、減額はされたが、それぞれ20万円の慰謝料請求が認められている。
 ほかにも、交通事故ではないが、動物病院や獣医師の過失によりペットに後遺症が残ったり、死亡したりする事案が裁判となる事例で、ペットの被害についての飼主の慰謝料が認められているものがある。
 例えばペットが死亡した事案では、東京高裁平成19年9月27日判決は、飼主3名にそれぞれ金35万円ずつの慰謝料を認めているし、同高裁平成20年9月26日判決は、慰謝料40万円を認めている。
 東京地裁平成16年5月10日判決は、同じく獣医師の過失による飼い犬の死亡について、飼主2名に金30万円ずつの慰謝料を認めているし、名古屋高裁金沢支部平成17年5月30日判決は、飼主2名に、金15万円ずつの慰謝料を認めている。
 他人のペットにより、自分のペットが被害を受けた事案でも、例えば大阪地裁平成21年2月12日判決は、他人所有の犬が咬んで飼い猫が死亡した事案で金20万円の慰謝料を認め、同地裁平成27年2月6日判決は、同じく死亡した飼い犬の死亡について金18万円の慰謝料を認めている。
 また、上記のように、ペットが死亡した場合には、一定程度の慰謝料が認められることがあるが、死亡までしていない場合でも、後遺症等が残るなどした場合は、慰謝料が認められることもある。
 例えば東京地裁平成20年6月18日判決は、動物病院の過失で飼い猫が後遺症を負った事案で慰謝料5万円を認めた。
 なお、以上のとおりペットの被害に関する慰謝料を認めた裁判例は多くあり、通常の物と比べると、ある程度認められやすくなっている面はある。しかし一方で、ペットの傷害等がそれほど重くない場合や、飼主との関係性がそれほど深くなかったような場合などには、原則どおり慰謝料請求が棄却されている裁判例もある。
 そのため、慰謝料請求が必ず認められるというものではないことは注意しておくべきだ。
posted by IT難民 at 05:57| 東京 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月29日

犬の飼い方に法律はあるのか?

 民法718条で、動物占有者の責任が定められている。動物の占有者は、例えば興奮して集金業務に来た担当者を噛んでしまったような場合,治療費を含めた賠償責任を飼い主が負わなくてはならない。担当者が不必要に犬を煽るような行動を取らなかった場合は、過失相殺もまず認められないだろう。
 同条1項ただし書で、動物の性質および種類に従い相当の注意をもってその管理をしたときは責任を免れることになるのだが、大型犬の場合リードだけでは不十分という判例もある。
 たとえ、ゴールデンレトリバーの性格からして、むやみに好奇心から人に危害を加える可能性が低いということはわかるが、世の中には犬に恐怖心を抱く方は少なからずいる。
 また、どのような犬種であっても動物である以上、興奮し予測不能な行動を取ることは考えられるし、そのような事故は報道されずとも日々発生している。温和な大型犬といっても例外ではない。
 庭で放し飼いをしている犬が何か事故が起こした場合、飼主が賠償責任を負うことだけは理解をしておくべきである。
posted by IT難民 at 07:14| 東京 🌁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月30日

猫の飼い方に決まりはあるの?

 以前から「猫ブーム」といわれてきたが、ここ数年、その熱量がさらに高まっているように感じられる。猫の写真展には大勢の人が訪れ、さまざまな猫グッズが開発されたり、猫をモチーフにしたテレビドラマや映画が放映されたりしている。インターネット上には、カワイイ猫、ほほえましい猫、笑える表情や行動の猫の写真や動画が山のようにある。
 もちろん、猫好きな弁護士もたくさんいる。皆さんきっと、家では赤ちゃん言葉かニャンニャン言葉でご自分の愛猫に話しかけているはず。
 さて、皆さんの家庭で飼われている猫。自分のペットなのだから――少しカタい言い方をすると、自分に所有権があるのだから、どんな飼い方をしても問題はない……?
 本当にそういえるでしょうか。
 実際には、法律で犬や猫の飼い方について定められている。具体的には、環境相が定めた「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」という名称である。厳密にいうと国会で成立した法律ではないが、動物愛護法の規定に基づいてつくられたものなので、しっかりとした法的な拘束力がある。
 内容をみると、家庭動物(哺乳類、鳥類及び爬虫類を対象としている)の共通基準として、健康や安全を保持すること、生活環境を害しないこと、飼いすぎないこと、逃げ出さないようにすること等々、聞けば飼主として当たり前、というような内容が書かれている。
 さらに条文を読み進めると、犬にはない、猫の飼主特有の基準として「室内飼育に努めること」という定めがある。猫を外で飼うと、他の動物から病気をうつされたり、交通事故などにあうおそれがあったり……。さらには、鳴き声や糞尿の放置の程度によっては近隣住民の生活に大きな支障を生じさせる可能性もあるため、室内で飼うことが推奨されている。
 また、それでも外飼いをする飼主に対しては、去勢・不妊手術などの繁殖制限措置をとることが義務づけられている。動物の飼育基準の多くは、「――に努める」といった比較的ゆるやかな規制なのだが、繁殖制限措置については、飼主が「必ず行うべき義務」として強力な規制となっている。
 なぜ、そうなるのか。
 猫は繁殖力が高い動物といわれている。生まれて半年程度で繁殖できるようになり、年2回以上の出産が可能で、1回の出産で4〜6匹の子猫を産む。そのため、繁殖制限措置がなされていない外飼いの猫がいると、外で猫がすぐに増えてしまう。
 外に飼主のいない猫が増えてくると、迷惑な猫であるとして地域住民の嫌われ者になったり、心ない人にいじめられて虐待の被害にあったり、保健所や動物愛護センターに持ち込まれる可能性もあったりする(今でも年間約10万匹の猫が行政施設で殺処分されており、大きな問題となっている)。こうした悲しい事態を防ぐため、猫を外で飼うならば、繁殖制限は必ずしなければならないとされているのだ。
 飼い猫に去勢・不妊手術を受けさせることは、飼主の基本的な責務であり、不幸な猫を生み出さないために非常な重要なことである。
 折しも先日、飼い猫に不妊・去勢手術をせず、10年間にわたって生まれた子猫を殺し続け、その数なんと100匹に及ぶ可能性があるというおそろしい事件が北海道で発覚したところだ。詳細は刑事裁判が終わるまでわからないが、仮にこれが事実とすれば、今後同様の悲劇を生じさせないために、飼い猫には原則として不妊・去勢を義務づけるような法改正も検討していく必要があるだろう。
 また、飼い猫の健康や安全を考えれば、外飼いはやめて、完全に室内飼いとするほうがいいのではないか。「サザエさん」に出てくるタマちゃんは、ひと昔前の飼い方としては受け入れられていたかもしれないが、現代においてはふさわしくないのだ。
 それでもなお外に出して飼うという選択をする場合は、必ず、去勢・不妊手術を受けさせなければならない。これを守らない飼主は、法律違反となる。
posted by IT難民 at 07:05| 東京 🌁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする