2019年07月01日

法律で問われる動物の飼主の責任と義務

 愛玩動物を飼育する上で飼主は、法律である「刑法」、「民法」、「商法」や「動物の愛護及び管理に関する法律」やこれらに付随する都道府県条令や市区町村条令等を遵守する義務と責任がある。日本の法律では、愛玩動物は、動産(物と同じ扱い)になる。
 例えば、飼い犬とおぼしき迷子犬を保護した場合には、お財布を拾ったと同じように遺失物拾得届を警察署に届けなければならない。飼い犬とおぼしき迷い犬を届け出せずに飼育すると刑法254条の占有離脱物横領罪となる。また、他人の犬をそのまま飼育したら刑法235条の窃盗罪となる。
 飼い犬が他人の犬を傷つけたり死亡させた場合や物を壊した場合には、刑法261条の器物損壊罪となる。
 犬には必ず鑑札と狂犬病予防接種済票をつけておくことが狂犬病予防法で定められている。保護をされたときに、これらがついていない動物は、たとえ首輪があっても飼主不明動物として扱われる。装着していても放浪期間中に首輪がとれてついていないこともあるので、飼主・保護主は、警察や保健所などには逸走(迷子)、拾得(保護)届けを出す必要がある。
 平成19年12月10日、改正遺失物法が施行され、これにより所有権保全期間が従来の半年から3ヵ月に期間が短縮された。3ヵ月間はもともとの所有者に所有権がある。
 迷子動物の届け出や引き取りはこれまでと同じく警察でも受け付けるが、警察では迷子動物の一時飼育はしなくなった。
 警察に保護の届出をしてから保護主が預かりをする場合は遺失物扱いとなる。保護主(拾得者)が「動物の愛護及び管理に関する法律」第35条第2項の規定により犬猫を引き取ってくれるよう求めた場合は遺失物としては扱われない。
 動物は、公告の日から2週間以内に飼主が判明しないときは、警察はこれを売却することができることになった。売却が成立しないときは、その動物を適切に取り扱うと認められれば引き取りを希望する人に渡される。
 犬を購入した場合や人から無償で譲ってもらった場合には、商法と民法の売買契約や民法の贈与契約になるので、契約が履行されているのかどうか契約内容によっては損害賠償を請求できることになる。
 これらの法律は、ペットを守る法律であり、また、人を守る法律でもある。
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2019年07月02日

猫のしつけはどうやるか?

 猫にもしつけがある。猫をしつける際に勘違いされがちなのが、猫と犬のしつけを混同してしまうこと。しかし、猫と犬のしつけは違っている。
 猫の学習方法は2パターンに大別される。それは「古典的条件付け」と「オペラント条件付け」というもの。それぞれの意味は以下の通り。
 古典的条件付け
 刺激と感情が結びつくことで学習をする。その刺激が快でも不快でもない場合でも反応を示す。たとえば、子猫のころにカラスにかまれたことによって黒い鳥にはすべて恐れるようになる、動物病院で注射をされたことによって白衣の人間を見ると恐れるようになるなどというのが古典的条件付けに当たる。
 オペラント条件づけ
 自分の行動によって快・不快の感情を経験し、それによって行動に影響が出ることを言う。例えば、猫を撫でてるときに甘噛みをしてきたので、その瞬間に撫でるのをやめたとする。すると猫は噛んだから撫でるのが中断されたと学習し、甘噛みをしなくなるというもの。ほかにも望ましくない行動をしたときに大きな音をだす、水鉄砲を撃つなどもオペラント条件づけに当たる。
 飼主はオペラント条件づけのなかでも望ましくない行動をしたときに罰(驚かす、水鉄砲など)を与える方法をとりやすいが、これはすすめられない。飼主がやっているとバレてはいけないことや望ましくない行動をしたときにすぐに毎回同じタイミングで行わなければ意味がないためだ。もし飼主がやっていると分かれば猫は飼主になつかなくなるというリスクもある。オペラント条件づけのしつけを行う場合は、その行動を褒める、または楽しいことを中断するなどの方法がおすすめである。
 また、猫は食に対する執着が非常に少ないという特徴もある。犬はこれと真逆で食に対する執着心が強く、目の前食べ物があればとにかく食べるという習性がある。しかし猫は気に入らない食べ物を出されれば、たとえ空腹でも口をつけようとはしない。なかには食べたくないものを出され続けた結果、餓死してしまう猫もいるほど。
 これも犬と猫のしつけの大きな違いとなる。犬はしつけの際にご褒美としておやつを使うと、それを食べたい一心で必死に学習をする。しかし猫の場合にはそうはいかない。たとえ猫の好きな食べ物で誘導することができても、犬に比べて数倍の労力が必要となるだろう。ご褒美におやつを用いるしつけは、猫にとっては非効率的なものであることを知ることだ。
 もう1つ、犬との大きな違いがある。それは褒められることに対する反応である。犬はもともと集団で狩猟を行う動物であり、社交性が高いため、褒められること、つまり仲間から認められることに大きな快感を覚える。褒められることは集団に受け入れられたことを意味し、それは自分が生き残っていくために重要な意義を含む。
 これに対して猫は単独で狩猟を行う動物であり、社交性が低いため、褒められるということに対して意味を感じない。単独で生きる猫にとって、他の個体から認められることが生き残るために有利になることだという思考回路が存在しない。
 猫が褒められてうれしそうにしているならば、それは認められた、褒められたということに対して喜びを感じているのではなく、自分に関心を向けられた、撫でられて気持がいい、ご褒美に遊んでもらえるなどということを喜んでいるだけなのだ。
 したがって、犬をしつける際にはとにかく褒めて褒めてしつけることが大きな効果を示すが、猫の場合には褒めてもほとんど意味がない。
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2019年07月03日

愛猫飼育のトラブルを防ぐための対処法

 猫はさまざまな問題行動をするもの。それによってご近所に迷惑をかけることもあり、ときにはトラブルに発展することもある。では、これらのトラブルに対してどのように対処していけばいいのだろうか。
 もっとも大切となるのは、問題行動を起こす原因を取り除くこと。人間の都合が猫にストレスを与え、それが問題行動の引き金となっていることが考えられる。
 猫は規則正しい生活を好むため、環境の変化から大きなストレスを受ける。引っ越し、子猫が生まれる、新しい猫を受け入れるなどの大きな環境の変化は猫にとってストレスである。これらの大きな変化はできるだけ避けてあげたいもの。これらのストレスが問題行動につながることが多く、特に室内で飼っている猫の場合には豊かな生活環境を、できるだけ変化を加えずに維持してあげるのがベストだ。
 住居づくりのコツは、窓などから外の様子を見ることができる場所を設けたり、猫が隠れることができる場所を設けてあげたりするのがコツ。猫はもともと待ち伏せをして狩りをおこなう習性があることから、自分は広く見渡すことができ、なおかつ誰からも邪魔されない場所を好むということを覚えておこう。
 このような工夫を行って猫のストレスを少なくしておくことによって、問題行動を抑制することができる。また、猫が活発な年頃にはたくさん遊んであげることもストレス解消の方法となる。
 数ある問題行動の中でも、もっとも他人に迷惑をかける恐れがあるのは攻撃行為だろう。猫が他の猫や人間に攻撃的になったときは、多くの場合は防衛本能からのもの。とくに子猫が社会化していくころ、他の猫や人間と接する機会がないこと、または飼主が誤ったしつけによって叩いたりすることが原因となっていることもある。
 攻撃行動の例としては、
 ▪他の飼い猫を威嚇する、ひっかく、噛みつく
 ▪飼主や他人を威嚇する、ひっかく、噛みつく
 ▪家具をひっかく
 などが挙げられる。
 原因は防御本能からの攻撃、社会化が不十分であること、ストレスがたまっていること、飼育環境が悪いこと、気性が荒い猫種であることなどが挙げられる。
 他の猫に攻撃的であることは、猫を多頭飼いしている場合などに起きやすい。そのようなときは争いが起きないように、空間を十分に取ってあげること、すべての猫に安心できる隠れ場所があることが大切となる。隠れ場所は椅子を大きな布で覆うだけの簡易的なものを設けるだけでずいぶん違う。猫のストレス軽減がもっとも効果的だ。
 猫同士の相性が悪いときには、しばらく隔離して距離を少しずつ近づけていくのが効果的。
 飼主や訪問客に対して攻撃的になる場合には、不適切な遊びが原因となっていることもある。誤った遊びにレーザーポインターを壁に当て、それを猫に追いかけさせるものがあるが、これは最終的に何かを捕えることはない、つまり成功のない遊び。このような遊びは過度の興奮状態を呼び、攻撃性を高めることになる。
 対処法としては、猫に根気よく、静かな態度で接することが効果的。具体的には、猫と遊んでいるときに攻撃的な態度を見せたときには遊ぶのをやめて無視することなどが効果的だ。
 また、誤った遊びによって攻撃性が強くなっているならば、今からでも適切な遊びを取り入れるといいのではないか。たとえば、箱にエサを入れて小さな穴をあけ、少しずつエサが出てくるような、成功のある遊びをさせていくといい。
 そのほかの対処法としては、攻撃性の原因を取り除くことに努めよう。窓から見える猫が攻撃性の原因になっているならば、不透明なシールを貼って光景を遮断したり、他の猫の臭いを持ち込まないことも大切なこと。そのほか、環境の整備によってストレスの軽減に努めよう。
 また、今までは穏やかだった猫が突然攻撃的になることがある。懐いていた飼主をひっかいたり噛みついたり、仲の良かった猫に攻撃をしたり、大きな問題行動となる。 
 これは転嫁攻撃性と呼ばれるもの。手の届かないところにストレスの対象があるときに起こることがある。たとえば窓の外に猫が見えて攻撃したいがそれができない場合に、身近なものを攻撃対象にして鬱憤を晴らすという行動である。
 これも、上で述べてきたように原因を探り当てて取り除くほかに対処法はない。
 最後に、家具などに対して攻撃的になること。これはストレスが原因となっているほか、爪とぎを行っていることもある。対処方法は専用の爪とぎ器を与えて、そこで爪をといだらほめるなどすると効果がある。また、対処療法ではあるが、定期的に爪を切るのもいい方法である。
 猫のその他の問題行動として大きなものに排泄行為に伴う臭いの問題があるが、やはりトラブルに発展しやすいのは他人に危害を加える恐れがある攻撃性だろう。もし危害を加えた場合には、当然ながら飼主が責任を問われることとなるので十分に注意しよう。
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2019年07月05日

カラスは飼えるか?

 基本、飼えない。以上。
 と、これだけで終えるわけにもいかないだろう。少し説明しよう。まず、日本の法律では、日本の野鳥は基本的に飼ってはいけないものとなっている。昔はウグイスやメジロやホオジロなど、飼ってもいい野鳥がたくさんあったが、今は捕まえて飼うのは禁止になった(厳密には愛玩目的の捕獲許可を出さないことにした、だが…)。
 日本人は昔から、小鳥を飼うのが好きだった。愛玩用にただ飼うこともあるし、歌を競わせるために飼う場合もある。ウグイスもメジロもホオジロのような歌のうまい鳥で、歌人が歌を競うように、持ち寄った鳥のさえずりを競わせる「鳴き合わせ」と呼ばれるゲームがあった。ヒバリは天高く舞い上がりながら鳴く鳥だが、これも籠から飛ばして高鳴きさせ、また籠に戻らせるといった技があったらしい。
 これは飼育技術と動物を「仕込む」技術を極めたような大した技なのだが、一方で野鳥をどんどん捕まえて飼育用に流通させる、という意味でもある。こういった商業ベースの捕獲産業は野鳥の乱獲につながりかねない、というか、確実にそうなる、いや、実際にそうなった歴史がある。
 事実、最近までメジロの密猟が後を絶たなかった。巧妙なのは、「これは正当に輸入した鳥ですよ」という許可証をつけたメジロを外国から輸入し、日本で密猟したメジロにすり替えてしまう例だ。日本産、特に屋久島などのメジロは声が良いとされているからである。その結果、日本のメジロは密猟され続ける上、用済みになった輸入メジロは野外に捨てられるので、どういうわけか日本で大陸産のチョウセンメジロが野生化している、という事態になってしまった。
 かくして、「飼い鳥として指定されている鳥は捕まえて飼ってもいい」だったのが、最終的に「愛玩用の捕獲は事実上認めない」となった。飼育愛好家にとっては残念かもしれないが、そうしないと鳥への加害が大きすぎるのだ。これが、「そもそも野鳥は飼っていいのか」に関する現状の法規制である。
 さて、カラスの場合はそもそも愛玩用の捕獲が認められた鳥ではない。しかし、狩猟鳥ではあるので、条件つきで捕まえることはできる。狩猟免許を持った人なら、狩猟期間中に許可された方法で捕獲することができる。免許がなくても、自分の敷地で、狩猟期間中に、特定猟法以外の狩猟方法で捕まえるのは違法ではない。特定猟法というのは免許のいる猟法、つまり罠とか銃だ。ということは、「狩猟期間中に自分の家の庭に入ってきたカラスを手づかみで獲った」などなら違法ではない。まあ、「できるものならやってみろ」レベルで難易度が高いからこそ、規制されていないのだが。
 で、この獲ったカラスを飼ってもいいか。
 飼ってもいいと狩猟法に明言されているわけではないが、いくつかの自治体では飼育してもよいという判断、とのことだ(ただしこの辺は解釈の問題なので、私としては責任を持った返事をしかねる)。考え方としては釣ったコイを生簀に放してある、といったものと同じらしい。また、カラス猟のときに生きたカラスをオトリにすることもあるので、そのために飼育しておく例もあるようだ。考えてみれば殺してもいいものを飼ってはいけないというのも変な話である。
 ということで、捕獲して飼育も、できないことではない。ただし、道具を使わずに手捕りとなると果てしなくその道は遠いし、自分に飛びかかってとっ捕まえやがった人間にカラスが簡単に懐くとも思えない。手づかみできるような距離までカラスが近づくなら、それは飼うまでもなく、とっくに「仲良し」である。これを裏切って捕まえてからもう一度慣らすのは、どう考えても不毛だ。
 ただ、実際には野生だったカラスを飼っている人は時々いる。1つは許可をとっての救護、もう1つは「違法だが、目くじら立てることもあるまい」というお目こぼしである。
 許可をとっての救護としては、例えば傷病鳥の救護ボランティアがある。登録や研修が必要な場合もあるが、怪我などで救護されたものの、怪我がひどくてもう野生には戻せない野鳥を引き取って飼育する制度である。私の知り合いは片翼を切断したハシボソガラスを飼っていた。もっとも、こういった鳥はそんなにはいない。
 もう1つは、その辺に落っこちて死にそうになっていた巣立ち雛や、巣の撤去に伴って殺処分される雛を見かねて、つい飼っちゃったという場合である。これは違法なのだが、まあ、その気持はわからんでもないので、あまり悪く言う気にはなれない。だが、くれぐれも、これを言い訳に「ウヒヒ、じゃあ拾って飼えるんじゃんラッキー」などと思ってはいけない。そういうズルいことを考える人には、カラスの呪いが降りかかる。呪いの詳細を記すことは差し控えるが、ゆめゆめ、そんなことを考えないように。1つだけ言っておきたいのは、野鳥を捕らえて閉じ込めて手元に置こうというのは、それがどんなに魅力的に思えても、やはりどこか歪んだ愛情でもあるのではないか、ということだ。まあ、愛情とはそういうものかもしれないが…。
 それでもカラスを飼いたいという人に、さらに告げよう。私が知る限り、カラスを飼うのはとんでもない大ごとである。

まず、カラスは大きい。ハシブトガラスなら全長56センチ、そこにいるだけでわりと邪魔だ。小型犬か猫くらいのサイズ感と言ってもいい。
 何だ、それなら部屋飼いが普通じゃないの、なんて思ってはならない。相手は鳥だ。3Dで動けるのである。好き勝手なところに飛び乗ってくるし、目の前をバタバタと飛ぶし、突然バサバサと飛び降りてくる。体重800グラムにもなる鳥を支える羽ばたきは強烈だ。500mlのペットボトルより重いものを浮かせる「風」というものが想像できるだろうか。 舞い降りた瞬間、周囲にあるものはすべて吹っ飛ぶ。ハガキ、写真、書類、請求書…… 身近にある紙モノは案外多いが、これがすべて吹っ飛ぶ。
 そして、カラスはいたずら好きである。彼らは気になるものはすべて、つつく。とにかく、つつく。そしてぶっ壊す。それから、持って行って隠す。ある知り合い(いろんな意味でとんがった人で、ついでに女王様である)はカラスを飼育していたとき、マンションの一室をカラスに与えた、と言っていた。でないと置いてあるすべてのものをバラバラにされてしまうからである。それも、壊してほしくないものから真っ先に狙いすまして壊す(この辺は猫と同じだ)。うっかり携帯を置き忘れて外出し、帰って来たらカタログ写真みたいにバラバラに分解されていたこともあったという。外出する前にケージに閉じ込めたはずだったそうだが、何の、カラスが執拗につつきまわせば、ケージの留め金を外すくらい朝飯前なのである。針金で止めておいてもダメだ。それくらいは器用にほどいてしまう。何せ、捕獲して巾着袋に入れて口を縛っておいても、袋の内側からゴソゴソやって隙間を広げ、最後は紐をほどいて抜け出して来るのである。なお、これは「やり方を知っている」のではない。カラスは絶望的にしつこいので、執拗につつき回していればそのうち留め金は外れ、結び目も解ける、という理由である。
 餌も要注意だ。もちろん、十分なタンパク質とビタミンとミネラルが必要なのは言うまでもないが、それに加えて、カラスはご馳走を貯食する鳥である。機嫌よく食べるからとあれこれ与えていると、ある日、部屋の一角から異臭がすることに気づくであろう。そこには腐りかけた(あるいはすでに腐った)ドッグフード、ソーセージ、パンなどが押し込まれているはずである。
 そのくせ、飼われていたカラスは死ぬほどヘタレである。大概は飼主にべったりで、知らない人間にはひどく人見知りする。何かあると飼い主の影に隠れて、顔だけ出して見ていたりする。
 前述の女王様がイタズラしたカラスをベランダに放り出して窓を閉めたところ、もうパニックを起こして「ごめんなさいごめんなさい入れてください怖いよう」状態だったらしい。以後、カラスが何かやらかすとベランダのほうを指差して「出すよ」とひと睨みするだけでシュンとしていた、とのこと。こういう飼育個体にとって部屋の外はまったく見知らぬ異界であり、「広い世界に羽ばたいて行こう」などとは思わないらしいのである。別の知り合いの、半ば放し飼いしていた例でも、庭から外へ出てしまっても塀のすぐ外でうずくまってプルプル震えていたりして、即刻連れ戻せたらしい。
 もっとも、ときには二度と戻らないこともある。自発的に自立したのか、パニくって飛び回るうちに帰れなくなってしまったのか、それはわからない。
 現在、アフリカ産のムナジロガラスが輸入されてペットショップで売られていることがある。ただ、売っているからとホイホイ飼育してよいものかどうかは、よく考えてほしい。カラスを飼うのはここに書いたように大ごとだし、おまけに大型のカラスなら40年以上も生きることがあるのだ。今、私がカラスを飼いだしたとすると、少なからぬ確率で私の方が先に死ぬ。あと、そのムナジロガラスがどういう経緯でそこにいるのかも、ちょっと考えてほしい。まっとうな方法であれば良いが、ペット「市場」がどれほど悪辣になれるものか、パピーミル(子犬工場)などを考えればわかるだろう。申し訳ないが、私はそこまで人間のやることを信用していない。実際、何年か前に台湾でハシブトガラスの雛の密猟が摘発されたことがある。台湾の知り合いによると、おそらくペット用だろう、とのことだった。
 動物を飼うことが悪いとは言わない。しかし、そこに金が絡んだ瞬間、物陰に悪魔が蠢いているのは、よくあることだ。
 そして最後に、飼っていたカラスが死んでしまった場合。カラスロスは大変重症であるらしい。それはそうだろう。手のかかるヤンチャないたずらっ子、そのくせ何かあるとすぐ逃げてくるヘタレ、そして「ねえねえ頭かいて」と甘えてくる子が、突然いなくなるのだ。だから、うっかりカラスを飼ってはいけないのである。
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2019年07月06日

ワニは飼えるのか?

 結論から言うと、ワニは日本でも飼育可能。しかし、ワニは特定危険生物なので飼育許可を受けた上で飼育することが条件となる。Youtubeでも実際にワニを飼育している方もいるようだ。実際に飼っている方のYoutubeを見つけたのだが、2m以上の体長のワニをペットとして飼っていた。動画を見てみると普通に外で首輪をして散歩していたので驚いた。
 「動物の愛護及び管理に関する法律」によって、ワニなどの人の身体や財産に危険を及ぼす生物は特定動物と言われている。“ワニ”を含め”にしきへび”、”くま”、”ゴリラ”なども特定動物として扱われている。飼育可能な特定動物一覧は、環境省:動物の愛護と適切な管理「特定動物リスト」で確認。
 そのため、特定動物に該当するワニを飼育するには、あらかじめ都道府県知事の許可を取る必要がある。ちなみにワニ目の「アリゲーター科」「クロコダイル科」「ガビアル科」の全種が飼育可能で、特定動物に指定されている。ワニの飼育申請にあたって、施設基準に基づく施設を設置した上での申請が必要となる。
 具体的にはワニであれば水槽の指定(コンクリートまたは強化ガラス)、厚さ(15cm以上)、水槽の高さ、人止め柵とおりとの間の距離などが指定されている。ワニ飼育に当たって、設備以外にもマイクロチップなどいろいろな申請書が必要。ワニを本当に飼育したいと感がている場合は、各都道府県の「動物愛護相談センター」への事前電話相談を利用したほうが良さそうです。
 手数料は、20,000円前後が必要となる。自治体によって費用が異なる。17,000円のところもあれば、20,000円の手数料がかかる都道府県もあった。在住の各都道府県に問い合わせて見ることだ。
 ワニの飼育に当たって無許可や申請に偽りがあった場合は「動物の愛護及び管理に関する法律」 により、6ヵ以下の懲役や100万円以下の罰金などの罰則が課せられる。
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2019年07月08日

多数の犬・猫の飼育と賃貸契約解除

 借家人が借家に多数の犬や猫を飼い、借家を毀損したり、近所に迷惑を掛けたから、賃貸借契約を解除するという事件は何度も繰り返されている。
 結局現に犬や猫が多数飼育されていると話し合いで解決せざるを得ないことが多い。
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2019年07月09日

多数の犬・猫の飼育と周辺被害

 持ち家の人が、犬や猫を多数飼って臭いや騒音等で近隣の人達と紛争を起こすことも多数ある。迷惑の差し止めを求めるのは、社会生活の平穏の維持の為、当然の権利だが、問題の解決には、工夫と時間が必要となる。
  動物を飼う場合の守るべきことがら(動物の愛護及び管理に関する兵庫県条例10条)では、ペットを飼う以上、飼主はペットに対していい加減な扱いをすることはゆるされない。ペットにキチンと水やるとか清潔にするとか、施設を作るとか、他人迷惑掛けない等を規定している。マナーの遵守を条例で義務ずけているのだ。
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2019年07月10日

死亡した犬、猫の処理

 ペットはなくなった場合、近年墓を作って祭るという人もいる。普通は行政に焼却を頼んで骨を回収していることが多い。
 ペットの遺体は、廃棄物だが、焼却せず、そのまま土に返すことは禁止されていない。ところで、中古住宅をかって庭仕事をしていたら、庭に動物の骨や腐乱死体が多数見受けられ、中古住宅購入者が動物を埋めた売主に対して損害賠償の訴訟を起こした例がある。売主は法律相談を聞きかじり、「庭へ埋めることの何が悪い」と言ったが、禁止されなくても、動物の遺体の埋設も社会的な相当性が必要なのである。
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2019年07月11日

野生の鳥獣(鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律ー鳥獣保護法)の扱い

 鳥獣保護法は、鳥獣やそのタマゴは取ってはならない(同法8条)としている。
ただ例外として、学術目的、許可された狩猟、農業等のためやむを得ない場合は、許される。
雀やドバト、烏、ひよどりといえ、ほしいままに捕獲したり、傷つけたりしては、いけないのだ。
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2019年07月12日

ペット飼育禁止に違反するとどうなる?!

 少子化と反比例するかのように最近は空前のペットブームなので、犬や猫などのペットを飼育されている方や飼育を始めたいと考えている方は少なくない。だが、そもそも、ペット飼育禁止のマンションは今でも少なくなく、ペットの飼育をする際にはペット飼育可能な物件なのかどうかを確認することは不可欠。
 住居におけるペットの飼育について一律に規制する法律はないので、賃貸借契約やマンション管理規約によって飼育が規制されているかどうかが肝心になる。賃貸物件と分譲物件では規制方法が異なるので、分けて考えてみよう。
 まず、賃貸物件の場合、賃貸借契約や規則・規約でペット飼育禁止とされている物件ではペットを飼育することはできない。それにもかかわらず、大家に内緒でペットを飼育している場合には賃貸借契約違反になるので、契約違反を理由に退去を求められても文句を言うことはできない。
 それどころか、飼育していたペットが部屋の壁紙や柱、ドアなどを傷つけてしまったり、ペットの臭いが部屋に染みついてしまった場合などは、通常想定されている原状回復費用以上の多額の費用を要求されることもある。契約時に大家に預けていた敷金だけでは原状回復費用に足りないときには、不足額について損害賠償請求をされることもある。もちろん、このような原状回復費用負担の問題は、ペット飼育禁止物件に限られたものではなく、ペット飼育OKの物件であっても同様に発生する。
 ただ、最近のペット飼育OKの物件では、飼育されているペットによる汚れや傷をできるだけ防止するため、初めから傷つきにくい壁紙やドアが使用されていたり、防臭素材の壁紙が使用されている物件もあるので、そのような物件を探すことができれば原状回復費用も一定程度に抑えることができるだろう。
 このように、契約時からペットの飼育が許されているのかどうか確認すべきことはもちろん、賃貸物件の内部仕様や契約終了時の原状回復義務の範囲などについて、あらかじめ確認しておくことが将来のトラブル防止のためには有効。
 次に、分譲物件のうち、一戸建ての場合には、屋内での飼育については第三者との関係では問題がないと言っていいだろうが、屋内で飼育する場合でも鳴き声や抜け毛、散歩のマナーを守ることは当然必要だろう。屋外で飼育する場合には、屋内飼育の場合よりも一層、近所への配慮は必要になる。
 そろそろ暑くなってきたので窓を開放する機会も多くなるが、飼主以外の近所にとっては、屋外飼育のペットの臭いは意外に気になるもの。近所なのでなかなか口に出すことはできないだろうから、飼主のほうで鳴き声、臭い、抜け毛などについて気遣いすることが求められる。
 最後に、分譲マンションの場合には、ペットが飼育できるかどうかはおのおののマンションの管理規約によって決められている。分譲マンションの管理規約は、いわばそのマンションの法律といっても過言ではない。そのマンションに住む人は管理規約を守らなければならないので、管理規約でペット飼育が禁止されている以上、いくら自分で購入した居室だからといって、飼育することはできない。そのような管理規約がすでにあるマンションに後から入居した人であっても、そのマンションの管理規約には拘束される。よく、「うちのワンちゃんは吠えない大人しい子なので、ご近所には迷惑はかけていないわ」とか、「ほかにもペットを飼っている人がいるから、うちだけが悪いのではない」、「猫ちゃんだからマンションの共用部分には出さないから大丈夫」などと独自の解釈をされている方がいる。しかし、ペットの種類や性格いかんにかかわらず、管理規約でペット飼育自体が禁止されている以上、どんなに大人しいペットであっても禁止は禁止なのだ。もちろん、盲導犬のように居住している人の生活や生存に不可欠な動物については、例外が認められている。
 管理規約に違反してペットを飼育していることが見つかってしまった場合には、管理組合からペットの飼育を止めるように指示される場合もあり、また、その指示に従わず、飼育によってマンション住民に多大な迷惑をかけているような場合には、マンションから退去を求められることさえある。最近では、中古マンションを販売しようと躍起になっている不動産会社が、実際には管理規約でペット飼育禁止であるにもかかわらず、ペット飼育ができるなどと顧客に説明していたため、説明を聞いて購入した居住者と既存の居住者との間でペット飼育を巡ってトラブルになるケースも散見されている。ペット飼育可であると信用してマンションを購入した居住者が不動産会社を相手に損害賠償を求めてみたところで、ペット飼育可と言ったとか言ってないとかいう問題にもつれこむことは目に見えている。中古マンションを購入しようとする場合には、あらかじめマンションの管理規約を確認させてもらえるようお願いするなど、購入者自身が自分の目で確認することが必要だ。
 ところで、マンションの管理規約は、マンションの居室を所有している人の4分の3の賛成があれば変更することもできるので、今までペット飼育禁止のマンションであっても、時代の変遷に伴い、4分の3以上の賛成が得られれば管理規約をペット飼育可能に変更することは可能。管理規約や管理規約に準ずるペット飼育細則では、飼育の可否だけではなく、共用部分ではペットをケージに入れたり飼主が抱きかかえなければならない等のルールを決めることもできるし、ペットのサイズや頭数について制限を細かく設けることもできるので、ペット飼育許可に反対する住民の意見にも配慮しながら、賛成住民と反対住民の意見を調整して、そのマンション住民にとって最も適切な管理規約・ペット飼育細則を設けることが重要ではないだろうか。
 マンションは共同の生活の場。ペットを飼う人も、飼っていない人も、互いに配慮し合って気持よく生活できることが理想ではないか。
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2019年07月13日

告発された「引き取り屋」

 栃木県矢板市の雑木林。粗末な掘建て小屋に閉じ込められた犬猫の存在は、ごく限られた人にしか知られていなかった。
 およそ20畳ほどのその小屋は、地面に丸太を立て、屋根代わりに穴があいたトタン板を張っただけのもの。いくつかの壁面には、壁板の代わりにサイズの合わない窓枠が大雑把にはめられていた。建物は斜めに傾き、隙間からは雨風が吹き込む。そんな中に、痩せ、怯えた犬猫がそれぞれ入った小さなケージがいくつも積まれていた。そこら中にクモの巣がはっていた。
 動物たちを劣悪な環境で「飼育」していた犬猫販売業の60代男性が、動物愛護法違反(虐待)の容疑で、公益社団法人日本動物福祉協会から刑事告発されたのは今年5月のこと。協会の栃木支部は以前から何度も現地に足を運び、犬猫を保護する活動をしながら、その管理のずさんさを確認。栃木県の動物愛護指導センターに10回以上指導を要請してきたが、改善されなかったという。犬猫の衰弱もひどく、告発に踏み切った。
 同栃木支部長の川ア亜希子さんによると、男性は、主にブリーダー(繁殖業者)から、高齢になったりして不要になった犬猫を数千円〜数万円で買い取っていたという。いわゆる「引き取り屋」。「(繁殖犬として)まだ使えそうな子は別のブリーダーに売ったり、以前は自分で繁殖させてオークション(ペットの競り市)で売ったりもしていたようです」と話す。チワワ、パピヨン、シーズー、トイプードル……。犬舎にいたのは、純血種の、いずれもショップで高値で販売される人気の犬種ばかりだ。
 この男性のもとから年間20頭ほどの犬猫を保護し、獣医に連れて行き、里親を探す活動をしてきた県内在住の野澤和子さんによると、男性は、県内で15年以上「引き取り屋」を続けているという。「オレだって生活があるからさぁ」が口癖だった。
 野澤さんは健康状態がより悪い犬から優先的に保護してきた。「そういう子は『どうぞ持って行って』という感じでした。でも彼が『その子はまだ使えるんだよね』って言う時は、お金を払ってねという下心がある時。だから、お金を払って連れてきた子もいます」。せっかく野澤さんの手で劣悪な環境から外に出られても、間もなく息を引き取ってしまう子も少なくないという。
 協会が告発時に証拠として提出した男性の手書きのノートには、「チワワ  メス 5000円」「柴 2才 1万」などという文字が並ぶ。到底、1頭でも面倒を見きれるような引き取り額ではない。それでもなぜ引き取るのか。「目的は現金収入です」と野澤さんは言う。「その時の現金収入さえあれば、後は放っておけばいいし、死んじゃってもいい。現金は、犬猫の維持費ではなくて、彼自身の維持費です」。餌も毎日与えていたかどうかは怪しく、3日に1度だったという声もあるという。
 保護後すぐに獣医に運ばれ、治療を受けるミニチュアダックスフントのメス。この犬も繁殖犬だったとみられる。運ばれた時にはすでに低栄養状態の低体温で呼吸停止状態。心肺蘇生し、一時は食欲も回復し、少し歩けるまでになった。その生命力をたたえられて「富士美」ちゃん(不死身の意)と名付けられた。しかしそれからたった1週間の命だった。
 保護後すぐに獣医に運ばれ、治療を受けるミニチュアダックスフントのメス。この犬も繁殖犬だったとみられる。運ばれた時にはすでに低栄養状態の低体温で呼吸停止状態。心肺蘇生し、一時は食欲も回復し、少し歩けるまでになった。その生命力をたたえられて「富士美」ちゃん(不死身の意)と名付けられた。しかしそれからたった1週間の命だった。
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2019年07月15日

県の監視は十分だったのか?

 男性は、現行法に照らし合わせても明らかな違法な行為をしてきた。にも関わらず、彼に業者資格を与え、かつ監視する立場にある栃木県が、彼に十分な指導をしていたとは到底思えない。
 協会は、この男性の情報が持ち込まれた2006年以降、県の動物愛護指導センター(以降センター)に、男性への指導を要請し続けてきたが、解決には至らなかった。川アさんたちが保護に入った前日、実は、センターも彼のもとを訪れている。見落としはなかったのか。
 動物愛護指導センターとは本来、動物愛護を啓発し、動物取扱業の登録を認め監視する、いわば県の動物行政の拠点だ。「センターが厳しく男性を指導していれば、助かった命は多いかもしれない」と川アさんは話す。
 センターはこれまでどんな指導をしてきたのか。担当者は「警察案件になっているため個別の案件に関しては答えられないが、法律に基づいて定期的に各業者に立ち入り調査をしている。矢板の案件もそうしていたはず」だと説明する。
 告発後、男性のもとには他の保護団体も入り、犬猫は全頭保護された。しかしセンターは、刑事告発されてなお、いまだに男性の取扱業資格を剥奪しておらず、「飼育」も認めている。
 皮膚病にかかり、痩せたパピヨン。触ると、毛がごぞっと抜けたという。臆病な、怖がった目をしていた。このあと、新しい里親に迎えられた。皮膚病にかかり、痩せたパピヨン。触ると、毛がごぞっと抜けたという。臆病な、怖がった目をしていた。このあと、新しい里親に迎えられた。
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2019年07月16日

活発化する「引き取り屋」

 「引き取り屋」がうまれる背景には何があるのか。それを知るためには、ペットショップに並ぶ動物たちがどこから来て、売れ残った子たちがどこに行くのかを知る必要がある。
 子犬や子猫がショップに並ぶ仕組みは、簡単にはこうだ。まず、ブリーダーと呼ばれる繁殖業者が繁殖犬を使って子を産ませ、それをペットオークションにかける。ペットオークションとは、ショップが自分の店で売る動物を競り落とす市のこと。珍しい種類なら高値がつくし、売れ残る動物もいる。そこで買い取られた動物はショップのショーケースに並び、買い手がつくのを待つ。ショップによっては自社で繁殖もおこなっていたり、直接ブリーダーから買い取ったりというケースもあるが、これがペット業界の一般的な流通形式になっている。
 日本動物福祉協会の調査員で獣医師の町屋氏によると、オークションを間に挟むペットの流通形式は、日本特有のものだという。つまり、ブリーダーとショップ、ブリーダーと消費者など、お互いに「顔が見えない」仕組みになっているのだ。だから、ショップで買った動物の母親や産まれた環境を知らないし、知ることができない。
 日本の法律では、ブリーダーに対して、1頭の動物に繁殖させてよい回数や、何歳から繁殖させてよいかなど、一切の制限が定められていない。いわば野放しの状態だ。ショップは「在庫」を切らさないためにどんどん仕入れ、ブリーダーは、特に人気の種にはどんどん産ませる。オークションがそれらの受け皿になり、「大量生産」がうまれる。
 「大量生産があるということは当然、不良品≠竍売れ残り≠ェ出てくるわけです」と、町屋氏は言う。血統の形質がうまくでていなかったり、病気を持っているような子は、オークションで売れずにブリーダーのもとに戻ってくる。ショップでも、売れ残りは出る。高齢になり繁殖能力を失った犬猫や、「売れない」犬猫たちは、ビジネス上は世話とフード代がかかる「お荷物」だ。そこに「引き取り屋」が登場するのだという。
 「実は、2013年に愛護法が改正されるまでは、自治体(各県の愛護センターや保健所)は、動物取扱業者から動物の引き取りを依頼されたら引き取らなければなりませんでした。つまり、税金で業者の尻拭いをしてきたのです。改定後はそれが拒否できるようになりました」と町屋氏は言う。このことも「引き取り屋」が活性化するひとつの要因になったといわれている。悪質な引き取り業者のもとで、犬猫たちが飼い殺し状態になる現状がでてきているのだ。
 「法改正では本来、大量生産を生み出すペット流通の仕組みも見直す必要がありました。にも関わらず、そこにメスは入らなかった。いくら殺処分ゼロを訴え、引き取り業者を取り締まっても、締められていない蛇口から流れ落ちる水をすくうようなものです」
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2019年07月17日

殺処分「ゼロ」目標の重圧

 愛護法の改正と同時に環境省を中心にして叫ばれだしたのが「殺処分ゼロ」目標だ。有名人を中心に一気に拡散され、各県の殺処分数がランク付けされ始め、自治体は、過度なプレッシャーにさらされることになった。
 殺処分数がゼロになるということは、すばらしいことだ。目標以降、それぞれの自治体が、不幸な動物を減らすために不妊去勢手術を徹底させたり、譲渡会を開いたりする取り組みを強化した。一方で、やむを得ない事情であっても、引き取り自体を過剰に拒否する傾向も増えているつまり、引き取らなければ殺処分数は増えないからである。
 しかし、殺処分をゼロにすることで、本当に不幸な動物が減っているのかということは疑問である。例えば、病気が深刻だったり、人に絶対に馴れないような攻撃性のある野良犬でも、安楽死させられず、震える体を1年以上繋ぎっぱなしにしている自治体もあるという。咬み癖があるにも関わらず新しい飼主に渡し、咬傷事故に発展したケースもある。一方、自分たちの収容能力を超えているにも関わらず、自治体から犬猫を引き取っている愛護団体も増えている。
 殺処分ゼロの響きはいい。しかし、これまで自治体に持ち込まれてきてきたような動物たちの受け皿は整備されているのだろうか。このままだと日本は、殺処分ゼロ、動物福祉もゼロになりかねない。
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2019年07月18日

遺棄された犬たち

 「引き取り屋」という言葉が、世に知られるきっかけとなった事件がある。
 2014年11月、栃木県の鬼怒川河川敷で、遺棄された大量の犬の死体が発見された。45頭。毛はボロボロで痩せこけ、その姿は、彼らが劣悪な環境で飼育されていたことを容易に物語っていた。後日、同県那珂川町内でも新たに数十頭の死体が見つかった。ペットショップや繁殖など営んでいた男性2人が、動物愛護法違反、廃棄物処理法違反などの疑いで逮捕された。愛知のブリーダーから犬約80頭を引き取った後、栃木に帰る最中に死んでしまっていることに気づき、処分に困って捨てたという。
「俺はもともと魚が好きだった。小さいころは母親が白い犬を飼っていた。動物は好きだけど、この業界は嫌いにならないとやっていけない」
 元ペットショップ店員の男性は、あの時逮捕された1人だ。廃棄物処理法違反で罰金を支払い釈放された。刑は全て受け終えた。
 「あの日、もう1人に、知り合いの愛知のブリーダーから『もう(ブリーダー業を)閉めるので(犬たちを)引き取ってほしい』という連絡が入った。売れる子は転売しようと思って引き受けたけど、実際に行ってみたら、ブリーダーのひどい状況を見てきた俺らからしても、最低最悪にひどい状況だった。糞尿で臭いも耐えられないほど。これはまずいと思った。前金1 00万円を受け取っていたので断れず、引き取った」
 トラックに木箱を作り「そこに犬たちを入れていった」
 引き取ったものの、この先どうしようか考えあぐねた。「信じてもらえないかもしれないけど、そこから出して助けてやりたいという気持もあった」と話す。昼食を取ることにし、戻ると鳴き声が止んでいた。
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2019年07月19日

ペットショップの向こう側

 彼は刑を受けた後、ペット業界から手を引いた。「もういい。戻りたくはない」と話す。ただ「業界がいいほうに向かうのに少しでも役立つなら」と、今回、インタビューに応じてくれた。
 彼は、「引き取り屋」とは非常に曖昧なものだと話す。販売業者や繁殖業者が業務の一環でおこなっていることもあるという。「うち(彼が勤めていたペットショップ)にも、引き取り業者は来ていた。こっちの希望で安く買い取ってもらうこともあったし、『他のブリーダーやショップがこんな犬を探しているから売ってほしい』と持ちかけられることもあった」という。
 働いていたショップは、繁殖業も営んでいたが、1匹の犬が年に出産できる回数には限りがある。1年中「商品」を切らさないようにするには、雄雌合わせて多くの頭数が必要になる。「その子たちを世話し、維持し続けるのは大変。そんな時に引き取ってもらうこともあった」という。日本人の子犬子猫信仰が、大量生産大量消費を支えていると指摘する。「生後半年ぐらいになると売れなくなる場合が多い。そうすると繁殖犬に使うか、引き取りに出すか」。引き取られた先のことは知らないという。「当時、繁殖させて産まれた犬猫やショーケースに並べる犬猫は、諭吉に見えていた」と振り返る。
 彼は、「ペット業界の流通の仕組みが変わらない限り、余った犬猫が闇の中で売買される仕組みもなくならない」と断言する。「『商品』があれば在庫と廃棄がでる。でも、国も業界も規制したり操作しようとしない。引き取り屋を生み出しているのは、だれですか?」
 警察での勾留を終えて店に戻ると、店には犬猫たちが待っていた。金を借り、その犬猫たちの世話をしたという。報道を聞きつけた愛護団体などが入り、数か月で犬たちはいなくなった。
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2019年07月20日

私たちがすべきことは?

 矢板の男性のもとからレスキューされた1頭のパピヨンはいま、里親のもとで暮らす。「かりん」と名付けられた。「最近になってようやく自己主張するようになったんです」と、里親の駒橋博美さんは笑う。かりん、と呼ぶ駒橋さんの後を追い、他の犬と一緒にご飯をねだる。
 「繁殖犬だったから、抱っこをされたことがなかったんでしょうね。抱っこしても居心地が悪そうだったのが、少しずつ身を預けてくれるようになりました」
 かりんはもう、居場所を失うことも、1人ぼっちになることもない。
 川アさんは、私たちにできることは、「ペットを飼う際、ペットショップの前に、保護施設やシェルター、ブリーダーから直接迎え入れる方法を探ること」だと話す。よいブリーダーかどうかの見極めは、飼育環境を見せてくれるかどうかと、希望者の人数が集まってから交配をさせるかどうかだという。そして、いよいよ家に迎え入れた以上は、最期まで愛情を持ち、面倒をみるのは言うまでもない。
 さらにこのペット流通の不幸を断ちきるためにもう1つ問われるのが、行政のあり方だ。町屋さんは言う。
 「日本では行政が動物福祉に対して大きな役目を担っています。自分たちが動物取扱業の登録を認めているんだという責任をしっかり持ち、監視・指導を強化することで、劣悪な環境下に置かれている動物はだいぶ減るのではないでしょうか。そして、行政職員が視察した現場で判断に困らないように、より明確な基準の作成も必要だと思います」
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2019年07月21日

人と関わるすべての動物たちとともに生きる―それが動物愛護管理法の理念

 命ある動物をみだりに殺傷したり苦しめたりしてはいけない。愛犬家、愛猫家であれば当然のことだが、残念ながらそれを意に介さない人がたくさんいることも事実。動物をむやみに傷つけたり苦しめたりすることなく、その習性をよく理解して適切に扱うように求める、動物への責任と、人と動物が互いに共生できるよう努力することを求める、社会的責任を定めている。
【意外に広い、愛護すべき対象動物】
 1.飼主がいてもいなくても、犬、猫、牛、馬、豚、羊、山羊、いえうさぎ、鶏、いえばと、あひるが対象となる。
 2.人に飼われていれば、すべての哺乳類、鳥類、爬虫類が対象。
 3.愛玩動物だけでなく、実験動物、産業動物もこの法律で守られている。
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2019年07月22日

動物を飼うなら実行すべき6つの責任

 動物愛護管理法第7条ではとくに、動物を飼う人に対する責任が定められている。これには犬や猫を飼う、一般の飼い主も含まれている。ここでは、法律と同じままの文章だと固い印象があるので、分かりやすい表現に変えて紹介する。
 1.飼育する以上は動物の健康と安全をしっかり守り、近隣住民や社会に迷惑をかける飼い方をしないこと
 動物を幸せに飼おう、病気になったらちゃんと治療しよう、他人に危害を加えたり、迷惑をかけない(排泄物による悪臭や毛の飛散で近隣の生活環境を悪化させたり、公共の場所を汚さない)ようにするためにしつけよう、といった動物を飼う上での基本的な精神が述べられている。
 2.感染症などの正しい知識を持ち、病気を予防すること
 動物の種類によって、特有の感染症があり、人にうつるものもある。飼主は感染症の種類や予防法を理解し、動物や飼主、他の人が感染症にかからないように努めなければならない。
 3.むやみに放し飼いなどをせず、動物が逃げ出すことがないよう努めること
 動物が逃げ出せば、周りの人に危害を与えるだけでなくその動物の命も危険にさらし、さらに生態系や農作物に悪影響を及ぼす可能性もある。そうならないために放し飼いをしないのはもちろん、迷子防止の対策をとる必要がある、という意味。
 4.途中で飼育を投げ出さず、動物が命を終える最後の時まで適切に飼育すること
 飼主は、飼育する動物の習性について正しい知識を持った上で適切な飼育を行い、命を終えるまで責任を持って飼育しなければならない。
 5.無計画に繁殖して、その結果飼育することができなくなる事態にならないよう努めること
 現在、個人でも業者でも多頭飼育崩壊が問題になっている。むやみに繁殖させ飼育頭数が増えれば、動物を1頭1頭管理することが不可能になる。その結果、多くの子犬や子猫などが殺処分されることにもなる。すべての命に責任が持てないのであれば、不妊手術をするなどして繁殖をコントロールしなければならない。
 6.飼っている動物が、自分が所有するものだと明示すること
 犬ならまず鑑札を、ほかの動物では首輪や名札、マイクロチップ、鳥の場合は足輪などを装着し、たとえ迷子になったとしても所有者が分かるようにしよう。
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2019年07月23日

細かさにびっくり!飼育方法にまつわる環境省の「基準」

 動物愛護管理法には環境省が告示した「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」があり、飼育方法はもちろん、「そんなことまで…」と思うようなこと、例えば、犬をつなぐときは、犬が道路や通路に出ることがないように注意しよう、散歩は犬をコントロールできる人が、リードにつないで行うようにしよう、など、かなり細かい基準が設けられている。ペットを飼うなら必ず一度は読んでおこう。
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2019年07月24日

絶対にしてはならない「虐待と遺棄」

 もちろん、虐待は動物愛護管理法によって禁止されているが、直接的に体に危害を加えなくても、ごはんを与えなかったり、病気なのに病院に連れて行かなかったりすることもネグレクトという虐待となりまする。
 また、飼っていた動物を捨てる、遺棄も禁止されている。毎年何万頭もの犬猫が殺処分されていまするし、社会や生態系への影響を考えれば、動物を最後まで飼うことは飼主の最も大きな責任の1つといえる。
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2019年07月25日

意外と罪重し!知らないとこんなことに

 動物の虐待や遺棄に関する罰則は、2012年の改正時に厳罰化された。それほど虐待や遺棄は、重大な「犯罪行為」なのである。
 <例>:猫が大好きでどんどん増やしてしまったが、最後は面倒を見切れなくなり、餌を与えられず餓死させてしまった。
 第44条2項の「愛護動物に対し、みだりに餌や水を与えず衰弱死させた場合」にあたり、100万円以下の罰金を科せられる。
 <例>:犬が過剰に吠えるので、しつけのために殴ったり蹴ったりして怪我を負わせてしまった。
  第44条1項の「みだりに愛護動物を殺したり傷つけたりした場合(能動的に虐待した場合)」にあたり、2年以下の懲役又は200万円以下の罰金に処せられる。
 <例>:引っ越し先がペット不可のため、仕方なく置き去りにしてしまった。
 第44条3項の「愛護動物を遺棄した場合」にあたり、100万円以下の罰金に処せられる。たとえ引っ越し先で飼えなくとも、飼主は里親を探す努力をしなければならない。
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2019年07月26日

飼主の責任には問われないとはいえ、動物を購入する際にも気をつけたいこと

 ショップやブリーダーからペットを購入する場合、法律を遵守している良質なところから迎え入れるようにしよう。動物販売業者には次のようなことが動物愛護管理法によって義務づけられており、これらのことがちゃんと守られているかチェックする必要がある。
 1.販売動物を健康及び安全に管理すること
 2.購入者に対し、対面説明を丁寧に行うこと
 3.販売する子猫・子犬は生後56日齢以上であること
 4.午後8時〜午前8時の間は展示しないこと
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2019年07月27日

「狂犬病予防法」は、犬はもちろん猫も関係する法律

 狂犬病はウイルス性の人畜共通感染症。すべての哺乳類が感染し、いったん発症するとほぼ100%死亡する恐ろしい病気である。その発生の予防・拡大の防止、撲滅のために作られたのが、狂犬病予防法となりまする。
 法律名に犬がつくため犬の法律と思いがちだが、実は猫、アライグマ、キツネ、スカンクも対象動物。
 ただし、犬以外では通常輸出入の検疫措置がとられるだけである。
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2019年07月28日

犬の登録・予防注射は飼主の絶対的義務

 犬を飼う場合、次のような義務が課せられる。
 ◆犬の登録
 生後90日を経過した犬を取得した人は、取得日から30日以内に管轄の市町村長に登録申請を行い、鑑札の交付を受ける。また、鑑札は飼い犬に必ず着ける。
 ◆狂犬病予防注射の義務
  飼い犬には毎年4月1日〜6月30日の間に毎年1度狂犬病の予防注射を受けさせる。さらに獣医師発行の予防注射済証を市町村長に提出し、注射済票の交付を受け、犬に装着する。
 ◆飼い犬が狂犬病にかかった場合の届け出
  飼い犬が狂犬病にかかった、あるいは疑いがある場合は、獣医師か所有者が保健所長に届け出る。
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2019年07月29日

意外と罪重し!犬だけでなく、猫の飼主も知らないとこんなことに…

  <例>:検疫を受けずに“猫”を輸入した。
  第26条の「第7条の規定に違反して検疫を受けない犬等を輸出し、又は輸入した者」に当たり、30万円以下の罰金に処せられる。
 狂犬病予防法の「犬等」には猫も含まれる。飼主が検疫を逃れることはまずないと思うが、不正に輸出入する業者もいるので、そのようなところから購入しないよう注意しよう(不正に輸入されたものと知っていて購入した場合、罰せられる可能性もある)。
 <例>:飼い犬の狂犬病予防注射を忘れてしまった。
 第27条の「第5条の規定に違反して犬に予防注射を受けさせず、又は注射済票を着けなかった者」に当たり、20万円以下の罰金に処せられる。
 注射の時期が近くなると管轄自治体から案内が送られてくるはずなので、忘れず受けさせよう。
 ペットを飼うということはさまざまな責任を伴う。「知らなかった…」では済まされないので、これをきっかけに法律の条文に一度は目を通してみてはいかがか。
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2019年07月30日

ペットがつけた傷の原状回復

 最近のペットブームの高まりを受けて、ペット可の賃貸の物件が増えてきた。これはペットを飼いたい方には嬉しいことだが、その反面でペットがつけたキズや汚れはどうするのかと不安に思う方も多いと思う。今回は、このようなペットを飼っている賃借人の原状回復義務について、記述する。
 原状回復義務とは、賃貸人が借りていた物件を明け渡す際、賃借人が自ら設置した物を取り除いて元通りにして返還する義務のことを言う。アパートなどの賃貸借契約では、ほとんどの契約書で賃借人の義務として明記されている。ただし、ここでいう「原状回復」とは、国土交通省住宅局が定めたガイドラインによれば、借りた当時の元の状態に戻すことではなく、「賃借人の故意や過失といった通常の使用方法をはるかに超える酷い使い方による損耗等を復旧すること」を言う。つまり、通常の使用による消耗の場合には、賃借人は原状回復義務を負うことはないということ。裁判例においても、このガイドラインと同様の考え方がとられている(最高裁平成17年12月16日判決等)。
 ペット飼育による一般的に生ずる破損・汚損については、その物件が契約上ペットの飼育を許可していたか否かによって、扱いが変わってくると考えられる。ペットの飼育を禁止している物件の場合、ペットによってつけられたキズ・汚れは通常の使用による消耗とは言えず、原状回復費用は賃借人の負担となる。これに対し、ペットの飼育が可能な物件の場合、ペットを飼うことにより通常生じるであろうキズや汚れは「通常損耗」と言えるので、ペット飼育による費用負担に関する特段の定めがない限り、原状回復費用は賃貸人の負担となると考えられる。
 では、この「ペット飼育による費用負担に関する特段の定め」とは、どのようなものが考えられるのか。
 裁判例では、退去時の「ペット消毒特約」について定めた事例において、「『ペット消毒については賃借人の負担でこれを行うものとする。尚、この場合専門業者へ依頼するものとする。』との合意は、ペット飼育した場合には、臭いの付着や毛の残存、衛生の問題等があるので、その消毒のために上記のような特約をすることは合理的であり、有効である」として、ペット消毒のための「クリーニング費用」(5万円)を原状回復費として認めた事例がある(東京簡裁平成14年9月27日判決)。また、退去時の美装工事の借主の費用分担を定めた事例では、「ペット飼育については、多くのマンション等共同住宅においては未だ一般的ではなく、建物の毀損や臭いの付着、毛の残存、蚤等衛生上の問題が発生してペット飼育特有の問題が生じるため、飼育者である賃借人に一定の負担をさせることについては合理性がある」としたうえで、猫の飼育による室内の脱臭処理費(2万5000円)が原状回復費用として認められている(京都簡裁平成16年7月1日判決)。
 ただし、特約があれば直ちに賃借人が原状回復費用を負担するわけではない。このような特約が認められるためには、少なくとも、賃借人が補修費用を負担することになる通常損耗の範囲が賃貸借契約書の条項自体に具体的に明記されていることなど、特約が明確に合意されていることが必要となる(最高裁平成17年12月16日判決)。また、著しく賃借人に不利な特約の場合には無効になる(消費者契約法10条)。
 結局、ペット飼育が許可された物件で、どの程度賃借人が原状回復義務を負担するかは、契約で原状回復に関しどのような特約が定められているかによる。ペットを飼われている方で、契約書に書かれている原状回復特約に納得できない、大家から言われた原状回復費用に納得できないなどお困りの場合は、一度相談されることをお勧めする。
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2019年07月31日

猫を拾ったらどこに届ける?

 公園にいた猫を拾ったが、人慣れしていてどうも飼い猫のようだ。この場合、法的にはどう対処すべきか。
 いくら家族同様に思っていても、猫は法的には「物」だという。つまり、誰かの飼い猫を拾った場合、猫は「遺失物」という扱いになる。そして、拾った人は「拾得者」、元の飼主は「遺失者」となる。
 遺失物を取り扱う遺失物法では、「拾得者は速やかに遺失者に返還するか、警察署長に届けなければならない。もしも、可愛いからとそのまま飼ってしまうとどうなるか。
 飼主がいる猫を飼うことは所有権の侵害にあたるものとされ、民法上は所有権侵害に基づく返還要求が可能となり、損害賠償を求められる可能性もある。また飼主がいると知りながら飼育しようとする行為は、刑法の窃盗罪や占有離脱物横領罪に問われる恐れもある。
 拾得者へのアドバイスは、もちろん「飼主を探して返すのが最良の方法」。では、どうやって探すのかといえば、これも遺失物法にしたがい、警察署に猫を届けるのが原則。ただ、警察には猫を保管する施設がないため、動物愛護センターに引き渡す仕組みになっている。拾得者が直接、動物愛護センターに持っていってもよいという。
 そして、結局遺失者が現れないまま3ヵ月経ったら、拾得者はその猫の所有権を得ることが可能となる。つまり、新たな飼主になれるわけだ。
posted by IT難民 at 04:52| 東京 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする