2019年11月01日

狂犬病予防注射をしないと法律違反になる

先日、飼い犬に狂犬病予防注射を接種しなかったとして、飼主に罰則が科されたことがマスコミで大きく取り上げられた。 狂犬病予防注射は法律で義務付けられた予防接種であるため、特殊な場合を除いて予防注射を接種することが飼主の義務とされている。
 狂犬病は、 狂犬病は、犬あるいは動物だけの病気ではなく、人を含めた全ての哺乳類が感染し、発病すると治療方法がなく、悲惨な神経症状を示してほぼ100%死亡する極めて危険なウイルス性の人獣共通感染症。本病は、約4,000年前から人類に知られていたが、高度な医療が確立した現在も、世界では毎年約50,000の人と十数万の動物が発病死していると推定されている。
 狂犬病の病原体はウイルスで、粒子の大きさは85 x 180nmで、比較的大きな弾丸状のウイルス。分類学的には、インフルエンザや麻疹などと同じマイナス一本鎖のRNA遺伝子に持ったモノネガウイルス目、ラブドウイルス科、リッサウイルス属に分離される。
 インドでは毎年30,000人の死亡が報告されている。狂犬病ウイルスの感染源動物は、先進国では主に野生動物で、北米では特にアライグマ、スカンク、キツネ、食虫コウモリ、ヨーロッパではアカギツネが中心になっている。一方、発展途上国では、主に犬や吸血コウモリ(中南米)で、人での発生の90%以上がこれらの国々で起こっている。
 日本では、1920年代に年間約3,500件の発生があったが、1922年に家畜伝染病予防法が制定され、犬にワクチン接種が義務付けられてから約10年で年間数件の発生までに激減させている。その後、太平洋戦争で予防対策が疎かになったとたんに約1,000件の発生が見られた。
 しかし、1950年に狂犬病予防法が施行され、犬に年2回のワクチン接種が義務付けられたところ、1956年の6頭の犬の発生を最後に、1970年にネパールで犬に噛まれた青年が帰国後発病死した1件を除き、今日まで、狂犬病の発生を許していないん。このことは世界で稀な快挙と言える。
 しかし、日本を取り巻く国々では、いまだに本病が多数発生していること、中でも年々交流が盛んになっているロシアや東南アジアなどでは多数の発生が報告されており、何時侵入されてもおかしくない状況にあると言える。
 なお、動物(ほとんどが犬)と人の発生数が平行しており、犬での予防の大切さがこれでもうかがうことができる。
posted by IT難民 at 06:06| 東京 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする