2020年01月03日

ペットフード安全法の誕生と今後 A

 ペットフード安全法の規制の構成や仕組みは、家畜飼料を対象とする「飼料安全法」等を参考にしてつくられており、概要は以下のとおりである。
 ○基準・規格の設定および製造等の禁止
 農林水産大臣及び環境大臣は、ペットフード(愛がん動物用飼料)の基準・規格を定め、当該基準または規格に合わないペットフードの製、,輸入、販売を禁止する。基準としては、「製造基準」と「表示基準」、規格は「成分規格」を想定しており、今後(法施行までに)、農業資材審議会と中央環境審議会の意見を聴きつつ策定する予定である。この際には,獣医師会の協力も依頼したいと考えている。
 なお、基準・規格の対象となる動物の種類は別途政令で定めることとなっているが、流通実績や問題発生の実績等を踏まえ、当面は,犬および猫用のペットフードを対象とすることを想定している。
 ○有害な物質を含むペットフードの製造等の禁止
 農林水産大臣及び環境大臣は、基準規格の対象外の有害な物質を含むペットフードが見つかった場合、その製造、輸入、販売を緊急避難措置として禁止することができる。
 また,製造業者,輸入業者、販売業者に対し、廃棄、回収等必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
 ○製造業者等の届出等
 製造業者、輸入業者は、農林水産大臣および環境大臣に、氏名、事業場の名称等を届け出なければならない。
 また、製造業者、輸入業者、販売業者(小売業者を除く)は、販売等をしたペットフードの名称、数量等を帳簿に記載する義務が生じる。これらの措置は、有害なペットフードが見つかった場合のトレーサビリティを確保するためのものである。
 ○報告徴収、立入検査等
 農林水産大臣または環境大臣はペットフードの製造業者、輸入業者、販売業者等から報告徴収を求めるとともに、製造業者、輸入業者、販売業者等への立入検査等を行うことができる。なお、立入検査等は(独)農林水産消費安全技術センターが行うことができる。 ところで、このペットフード安全法は、法の目的が「愛がん動物の健康を保護し、動物の愛護に寄与すること」であり、したがって、「獣医師法」に基づき「動物の保健衛生の指導」を任務とする獣医師の方々にとっては,まさに密接に関係する(関係すべき)法律といえるのであ。.
 例えば小動物臨床獣医師であれば、日々愛がん動物(ペット)を診療するとともに、健康状態をチェックし飼主へ必要な指導を行う立場にある。ペットの健康指導の中には、ットフード等の食餌を飼主が適切に与えることの指導も含まれていると考えられるが、今後はこれまで以上に関心が高まることが予想される。さらに、ペットに病気や異常が発見された場合に一番最初にその情報に触れる立場にあることから、それがペットフード等の影響によるものと疑われる場合には、関係機関(農林水産省及び環境省等)への情報伝達と共有が速やかに行われることが、ペットフードによる健康被害の解決および未然防止のために極めて重要になってこよう。
 ちなみに、環境省では、動物愛護の観点から、法律とは別に、法律による規制と併行して効果を発揮するように)、ペットの健康安全保持のための「飼主向けガイドライン」を今年度中に作成する予定である。犬・猫を対象としてペットフードの与え方の留意点や適正飼養のあり方等をとりまとめることとしており。これに関する獣医師としての知見やご意見を歓迎したい。
 なお、法律の施行日は、別途政令で定めることとなっているが、法律公布から1年以内であることが条件であり、かつ、事業者や飼主等への十分な周知期間を確保することを考慮すれば、来年春(2009年6月頃)が見込まれるところである。
 いずれにしても、このように多くの国民の期待を背に生まれたペットフード安全法の真価が問われるのはまさにこれからである。林水産省及び環境省では、法律成立までのさまざまな過程で培われた両省の連携体制や専門家・関係者とのネットワークを十分に活かしつつ積極的かつ効率的に進めていきたいと考えている。
posted by IT難民 at 12:48| 東京 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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